「交通誘導員AとBって何が違うの?」
「検定路線ではAを何人配置すればいい?」
「公共工事の書類でA・Bと分かれているけど、どう読めばいい?」
交通誘導員A・Bの違いは、ざっくり言えば交通誘導警備業務1級または2級の検定合格者かどうかです。
ただし、A・Bは主に公共工事などの積算で使われる区分であり、現場で必要な資格者配置の考え方とは分けて理解する必要があります。
この記事では、交通誘導員A・Bの違い、公共工事の積算での使われ方、検定合格警備員を配置しなければならない路線での考え方を、現場管理側の目線で整理します。
交通誘導員A・Bの違いは「検定合格者かどうか」
交通誘導員A・Bは、警備会社の役職名ではありません。
主に公共工事の積算で使われる職種区分です。
| 区分 | 主な意味 | ざっくり言うと |
|---|---|---|
| 交通誘導警備員A | 交通誘導警備業務1級または2級の検定合格警備員 | 交通誘導の資格者 |
| 交通誘導警備員B | Aに該当しない交通誘導警備員 | 交通誘導の資格者ではない警備員 |
つまり、交通誘導警備業務2級を持っている警備員は、積算上は交通誘導警備員Aとして扱われます。
資格を持っていない交通誘導警備員は、交通誘導警備員Bです。
国土交通省の公共工事設計労務単価でも、交通誘導警備員A・Bは別の職種として扱われています。
職種区分や単価の考え方は、国土交通省「公共工事設計労務単価」で確認できます。
交通誘導警備業務2級そのものの取り方を知りたい人は、「交通誘導警備業務2級の取り方|直接検定と特別講習の違いを現場目線で解説」を参考にしてください。
Aだから偉い、Bだから仕事ができないという意味ではない
交通誘導員Aは資格者、交通誘導員Bは資格者ではない警備員です。
ただし、Aだから必ず現場で一番うまい、Bだから仕事ができない、という意味ではありません。
実際の現場では、資格を持っていないベテラン警備員が、新人の資格者より落ち着いて誘導できることもあります。
反対に、資格を持っていても、現場ごとの動きに慣れていなければ、最初は隊長や相方の指示を受けながら動きます。
A・Bは、現場での人間的な上下関係というより、資格の有無をもとにした区分です。
ここを勘違いすると、「Aがいれば全部任せて大丈夫」「Bは補助だけ」といった雑な理解になります。
ホンネちゃんAは偉い人、Bは下っ端。
ではないのさ。
資格区分と現場力は、似てるようで別物だよ。
交通誘導員A・Bは公共工事の積算でよく出てくる
A・Bという言葉をよく見るのは、公共工事の積算や警備員の配置計画です。
発注者側が工事費を計算する時に、交通誘導警備員Aと交通誘導警備員Bを分けて人数を考えることがあります。
たとえば、国道規制で10名の交通誘導警備員が必要な場合、Aが1名、Bが9名という形で分けて考えることがあります。
| 配置例 | 意味 | 合計人数 |
|---|---|---|
| Aが1名、Bが9名 | 交通誘導警備員Aを1名、交通誘導警備員Bを9名配置する | 10名 |
| Aが2名、Bが6名 | 交通誘導警備員Aを2名、交通誘導警備員Bを6名配置する | 8名 |
| Aが1名、Bが1名 | 交通誘導警備員Aを1名、交通誘導警備員Bを1名配置する | 2名 |
交通誘導警備員Aは、資格者としてBより単価が高く設定されることがあります。
そのため、発注者側の積算や見積もりでは、AとBを分けて人数を考えます。
ただし、単価の話と、法律上の資格者配置の話は同じではありません。
ここを混ぜると、「Aを何人入れればいいのか」が分かりにくくなります。
検定合格警備員の配置基準は「場所ごとに1人以上」
公安委員会が指定した路線などで交通誘導警備業務を行う場合は、交通誘導警備業務1級または2級の検定合格警備員を配置する必要があります。
警視庁の配置基準でも、交通誘導警備業務を行う場所ごとに1人以上と示されています。
配置基準の原文は、警視庁「検定合格警備員の配置基準」で確認できます。
広島県内の配置路線については、広島県警察「交通誘導警備業務に係る検定合格者配置路線」も確認しておくとよいです。
大事なのは、配置基準が「1注文に1人」とは書かれていないことです。
基本は、交通誘導警備業務を行う場所ごとに、検定合格警備員を1人以上置く考え方になります。
国道規制で10名なら、全員Aが必要なわけではない
たとえば、公安委員会が指定した国道で車線規制を行い、交通誘導警備員が10名必要な現場があるとします。
一つの規制区間、一つの交通誘導警備業務を行う場所として扱われるなら、Aが1名、Bが9名という形で考えるのが自然です。
10名配置だから、10名全員が交通誘導警備員Aでなければならない、という意味ではありません。
ただし、現場条件や発注者の仕様でAの人数が指定される場合は、その指定を優先します。
複数の場所で通行止めをする現場は判断に注意する
判断に迷いやすいのは、作業場所は1つでも、通行止めや誘導を行う場所が複数に分かれる現場です。


たとえば、線路工事の影響で複数の踏切を通行止めにし、別の踏切へ迂回させるような場合です。
このような現場では、工事そのものの作業場所は1つでも、通行止め対応を行う入口が2箇所に分かれることがあります。
警備会社や発注者の注文としては1現場に見えても、交通誘導警備業務を行う場所としては複数と判断される可能性があります。
私自身も、こういう現場では「1現場だからAが1名でよいのではないか」と考えることがありました。
ただ、法令上の表現は「場所ごと」です。
そのため、通行止め対応を行う場所が複数ある場合は、それぞれの場所に検定合格警備員が必要と判断される可能性があります。
こうしたグレーな現場では、警備会社だけで判断しない方が安全です。
道路使用許可を取る時点で、発注者、道路使用許可の内容、管轄警察、所属会社の実施要領を確認してください。



Aは人数分ではなく、場所ごとに見るワケ。
でも、場所が2つなら話が変わることもあるよ。
A・Bと「資格者配置」を混同しない
交通誘導員A・Bは、積算上の区分として使われることが多い言葉です。
一方、検定合格警備員の配置基準は、警備業法や公安委員会が指定する路線に関わる話です。
つまり、A・Bの話と、検定路線で資格者を何人置くかの話は、つながっていますが同じではありません。
交通誘導警備員Aは資格者なので配置基準を満たす要員になり得ますが、積算でAが1名入っているから、どんな現場でも必ず足りるとは言い切れません。
現場が一つの場所として扱われるのか、複数の場所として扱われるのか。
指定路線にかかっているのか。
発注者や警察との協議でどう整理されているのか。
このあたりを確認して、AとBの人数を考える必要があります。
小ネタ:作業会社の保安員なら検定が不要な場合もある
少し裏技のような話ですが、工事会社の社員が自社工事の一部として保安員や誘導補助をする場合、その人は警備会社の警備員ではありません。
そのため、交通誘導警備業務1級・2級の検定合格者でなくても対応できる場合があります。
ただし、警備会社へ依頼して交通誘導警備業務として行う場合は、警備業法の対象です。
公安委員会が指定した路線で警備会社が交通誘導を行うなら、検定合格警備員の配置が必要になります。
保安員と警備員を混同すると、「資格者がいなくても大丈夫」という危ない理解になります。
自社の作業員が保安対応をする話と、警備業者へ交通誘導警備業務を委託する話は分けて考えてください。
交通誘導員Aになるには交通誘導警備業務2級が近道
交通誘導員Aとして扱われるには、交通誘導警備業務1級または2級の検定合格警備員になる必要があります。
多くの人にとって最初に目指しやすいのは、交通誘導警備業務2級です。
2級を取ると、検定路線で必要な資格者として配置されやすくなります。
会社によっては資格手当や、現場の選ばれ方にも影響します。
ただし、資格を取った瞬間に何でもできるようになるわけではありません。
現場では、通行止め、片側交互通行、車線規制、工事車両の出入りなど、配置ごとの経験も必要になります。
交通誘導の基本的な動き方を知りたい人は、「交通誘導のやり方|図解で学ぶ基本と「止める・伝える」の実践」も参考にしてください。
まとめ|A・Bは積算区分、資格者配置は場所ごとに考える
交通誘導員A・Bの違いは、交通誘導警備業務1級または2級の検定合格者かどうかです。
ただし、A・Bは主に積算上の区分であり、検定路線などで必要な資格者配置は、交通誘導警備業務を行う場所ごとに考える必要があります。
10名配置だから全員Aという意味ではありません。
一方で、作業場所が1つでも通行止め対応を行う場所が複数に分かれる現場では、道路使用許可を取る時点で管轄警察や発注者に確認しておくのが安全です。





コメント