「警備員になったら、人生終了なのか」
「このまま警備員を続けて、将来は大丈夫なのか」
「辞めたいけど、ほかに何ができるのか分からない」
警備員について調べると、「人生終了」「人生終わり」「底辺」といった強い言葉が出てきます。
先に結論を言うと、警備員になっただけで人生は終わりません。
私は高校中退後、約3年間ほとんど働かなかった時期を経て、28歳ごろに警備業界へ入りました。
交通誘導、列車見張り、機械警備、雑踏警備などを経験し、現在は管理職として、管制、隊員の配置、新人教育、資格取得を目指す人の指導などに関わっています。
ただし、何となく警備員を続けているだけで、人生が勝手に良くなるわけでもありません。
警備で積み上げるのか。
会社を変えるのか。
警備以外の仕事を見るのか。
大切なのは、「警備員だから終わり」と一つにまとめず、今の自分が何に苦しんでいるのかを分けて考えることです。
結論|警備員という肩書きだけで人生は終了しない
警備員になっただけで、その後の人生が決まるわけではありません。
警備業界で資格や経験を積む人もいます。
警備の経験を活かして別の会社へ移る人もいます。
一度ほかの業界へ出て、やっぱり警備が合うと戻ってくる人もいます。
反対に、警備員である自分を認められないまま、
「これは仮の仕事」
「いつか辞める」
「本当の自分は別にいる」
と思い続け、現在の不満や今後の希望を整理しないまま年月だけが過ぎると、人生が止まったように感じやすくなります。
危ないのは、警備員になることではありません。
今の働き方に納得できないのに、何も決めないまま年数だけを重ねることです。
ここでいう「何も決めない」とは、今すぐ会社を辞めないことではありません。
体調や家庭の事情があり、すぐには動けない人もいます。
まずは、何が不満なのか。
この先どうなりたいのか。
それを一度整理するだけでも、次の一手になります。
警備員が「人生終了」と言われやすい3つの理由
警備員が人生終了、人生終わりと言われやすい背景には、主に世間体、給料、働き方への不安があります。
世間体が気になりやすい
警備員は、人から見える場所で働く仕事です。
工事現場で旗を振る。
駐車場で車を誘導する。
施設の入口に立つ。
姿は見えても、何を確認し、どんな事故や異常を防いでいるのかまでは、外から分かりません。
そのため、「立っているだけ」「誰でもできる」「若い人がやる仕事ではない」と、仕事を知らない人から雑に評価されることがあります。
ホンネちゃん現場の苦労を知らない人ほど、
勝手に採点してくるのよね。
警備員という職業への世間の見方については、警備員は底辺なのかを現役の視点で解説した記事で詳しくお話ししています。
給料や将来に不安を感じやすい
警備員の給料や将来性は、会社によって大きく変わります。
日給制で、働いた日数が減れば給料も下がる。
雨で現場が中止になると、収入へ影響する。
資格を取っても、手当や役割がほとんど変わらない。
そんな会社で目の前の勤務だけを繰り返していれば、「5年後も同じ給料で、同じ場所に立っているのではないか」と不安になるのは当然です。
一方で、資格手当、隊長、管制、教育担当など、次の役割が用意されている会社もあります。
警備員の将来が見えないのではなく、今いる会社で次の道が見えない可能性もあります。
外仕事や夜勤で消耗しやすい
交通誘導では、夏の暑さも冬の寒さも避けられません。
雨具を着ても水が入る。
真夏はアスファルトの照り返しで、足元から焼かれる。
夜勤が続けば、生活リズムも崩れます。
問題は警備員という肩書きではなく、体に合わない働き方や、合わない現場で無理を続けることです。
その状態を放置すると、仕事だけでなく、睡眠、体調、家族との時間まで崩れていくことがあります。
私も警備員であることに劣等感を持っていた
私が警備業界に入ったのは、28歳ごろです。
最初は短期アルバイトのつもりで、「とりあえず働こう」「しばらく警備でつなごう」という程度の気持ちでした。
1年ほどして結婚が決まり、アルバイトのままではまずいと思って社員になりました。
交通誘導、列車見張り、機械警備、雑踏警備と、さまざまな現場へ入りましたが、最初から警備業界で上を目指していたわけではありません。
同僚が「警備員だから」と結婚を反対された
当時、会社には200人ほどの警備員がいましたが、私と年齢が近い人は数えるほどでした。
そのうちの一人が、結婚を前提に相手のご両親へ挨拶へ行ったとき、警備員という仕事を理由に反対されたそうです。
彼はその後、警備業界を辞めて別の仕事へ移りました。
その話を聞いて、初めて強く意識しました。
「世間から見た警備員は、そういう扱いなのか」
友人が家を建てたり、高級車に乗ったりしている姿を見て、劣等感が出ることもありました。
警備員になったら人生終了だと思っていたわけではありません。
それでも、「自分はこのままでいいのか」という感覚は消えませんでした。
真夏の現場で「俺は何をやっているんだろう」と思った
灼熱の真夏。
排気ガスを浴びながら、道路で旗を振っていた。
制服の中は汗でびしょびしょ。
アスファルトの照り返しで、足元から熱が上がってくる。
そこへ、通りかかった車から声が飛んでくる。
「邪魔だ、どけろ」
現場に必要な仕事だと分かっている。
それでも、当時は素直に受け止められなかった。
「俺は何をやっているんだろう」
本気でそう思った。
警備員を辞めたい。
でも、外へ出て何ができるのか分からない。
劣等感はあるくせに、外へ出る自信はない。
プライドだけは無意味に高い。
「なんで自分ばかり」
「こんなにやっているのに」
「もう知らん」
そんな感情を抱えながら、何度も続けるか辞めるかで揺れていました。
上司と大げんかして、本気で辞めかけた
積み重なった不満が一気に噴き出し、上司と大げんかしたこともあります。
当時の私は、自分なりに現場を回し、会社のために動いているつもりでした。
それなのに頑張りを分かってもらえていないように感じ、「こんな会社、もう辞めてやる」と本気で思ったんです。
会社への不満がなかったわけではありません。
ただ、今振り返ると、「これだけやっている自分を認めてほしい」という面倒な感情も、かなり混ざっていました。
喧嘩した直後は頭に血が上がり、会社を辞めたい理由と、その場の怒りを切り分けられなくなっていました。
あの勢いのまま退職していたら、冷静に次の仕事を考える余裕もなかったと思います。
辞めたいと思うこと自体は悪くありません。
ただ、その気持ちが仕事内容への不満なのか、会社への不満なのか、誰かとぶつかった直後の怒りなのかは、分けて考えた方がいいです。
人生が止まったように感じやすいのは、何も決めないまま年数を重ねるとき
私の場合は、警備員という仕事よりも、劣等感や会社への不満を整理しないまま働き続けていたことが問題でした。
次の状態が長く続くと、人生が止まったように感じやすくなります。
- 警備員である自分を認められない
- いつか辞めると言いながら、何も準備しない
- 合わない会社で年数だけを重ねる
- 資格や役職など、次の目標を持たない
- 警備以外の仕事を一度も調べない
- 世間体ばかり気にして、自分の生活を見ない
そう思っているだけでは、何年たっても現実は変わりません。



「これは仮の姿」
と言いながら10年たったら、
もうそれが本体ってワケ。
ただ、すぐに求人へ応募しろという話でもありません。
病気や家庭の事情、自信のなさなどで、すぐには動けない人もいます。
今すぐ退職できなくても、自分の不満や経験、今後の希望を整理することはできます。
警備を続けるのか。
別の仕事へ進むのか。
そもそも、転職した方がいいのか。
次に何をすればいいか分からないなら、求人を眺め続ける前に、自分の経験や希望を一度整理する方法があります。
一人で考えても同じところを回り続けてしまう人は、今の仕事を続けるかどうかも含めて、第三者へ相談してみてください。
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すでに辞めたい気持ちが強くなっている人は、警備員を辞めたいときの考え方をまとめた記事も参考にしてください。
子どもが生まれて「人は人、俺は俺」と思えるようになった
私の考え方が変わったのは、子どもが生まれたときです。
それまでは、友人の仕事、収入、家、車と、自分を比べていました。
当時は「いつか自分で服屋をやる」と話していたこともあります。
本気だった部分もあります。
ただ、今思えば、「警備員は仮の姿だ」と考えることで、自分の劣等感をごまかしていたのかもしれません。
子どもが生まれたとき、そんな格好をつけている余裕はなくなりました。
「家族を食べさせるために、必死で働くしかない」
腹が決まると、少しずつ「人は人、俺は俺」と思えるようになりました。
警備員である自分を立派に見せる必要も、必要以上に下げる必要もありません。
目の前の仕事を覚える。
収入を作る。
家族の生活を守る。
そこへ集中するようになってから、警備員という仕事への見え方が変わりました。
警備で腹を決めたら、現場の先にも道はある
私は現場経験を積み、交通誘導警備、雑踏警備、施設警備の検定資格や、警備員指導教育責任者資格を取得しました。
現在は現場だけでなく、管理職として管制、隊員の配置、新人教育、資格取得を目指す人の指導などに関わっています。
警備業界には、現場隊員以外にも、隊長、管制、教育担当、契約先との調整などの役割があります。
もちろん、資格を取れば自動的に給料が上がるわけではありません。
資格手当や役職へ進める席は、会社によって違います。
それでも、学歴や過去の職歴だけではなく、出勤を続け、現場で信用を積んだ人へ仕事を任せる余地があります。
これは、警備業界の強みです。
警備員の資格と、その後に目指せる役割については、警備員の資格一覧とキャリアへの活かし方で詳しく解説しています。
警備員で人生終了しないための3つの道
将来が不安なときに、「辞めるか、続けるか」の二択だけで考える必要はありません。
今の自分が何に苦しんでいるのかに合わせて、次の道を選んでください。
今の会社で資格や役職を目指す
今の会社の待遇や人間関係に大きな問題がなく、警備の仕事自体も嫌いではないなら、社内で次の役割を目指す方法があります。
資格手当があるか。
隊長や管制へ進めるか。
教育担当になる道があるか。
まずは、今の会社にどんな席があるのか確認してください。
最初の一歩は、取得を目指せる資格と、資格取得後に任される仕事を確認することです。
警備員は続けて、会社を変える
警備の仕事ではなく、今の会社に問題がある人もいます。
同じ警備員でも、会社によって給料、現場数、装備、資格手当、休みやすさ、管理側の対応は違います。
会社を比べるときは、日給だけでなく、雨天中止時の保証、新任教育中の給料、交通費、制服や装備品、資格取得後の扱いまで確認してください。
会社選びの確認ポイントについては、警備会社の選び方を管理側の視点で解説した記事にまとめています。
今の会社だけで警備業界全体を判断する前に、自分の地域にどんな警備求人があるのか比較してみてください。
警備以外の仕事を具体的に見てみる
外仕事、夜勤、警備特有の働き方が限界なら、警備以外の仕事を見る道もあります。
私自身、41歳で自動車業界へ応募し、不採用になりました。
警備員から他業種へ出るのは、いつでも簡単というわけではありません。
不採用にはなりましたが、応募したことで何かを失ったわけではありません。
警備へ戻れなくなったわけでもありません。
警備員として続けてきた経験も、すべて無駄になるわけではありません。
決められた時間に出勤する。
現場のルールを守る。
通行人や施設利用者へ声をかける。
契約先や作業員とやり取りする。
こうした経験は、工場、物流、清掃、配送、販売など、別の仕事でも活かせる部分があります。
派遣も選択肢に入るなら、今すぐ辞めると決めなくても、自分の地域にどんな仕事があるのか確認できます。
👇高時給・寮完備の仕事も見つかる!
私が41歳で他業種転職へ挑戦した経緯について、警備員から他業種へ転職するのは難しいのかを解説した記事で詳しく書いています。
学生アルバイトの子が卒業するとき、私はよくこう伝えています。
「一回はどこかへ就職しておいで。
合わなければ、いつでも警備へ帰っておいで」
一度外へ出たうえで警備が合うと分かれば、以前より腹を決めて働けます。



『警備しかない』
と思い込む必要はないよ。
モチロン『警備だけは嫌だ!』
と、意地を張る必要もないのさ。
警備員のイメージや評判に関する記事
警備員へのネガティブなイメージには、職業への評価、働く人の人物像、仕事選びへの不安など、異なる悩みがあります。
- 警備員は底辺?
警備員という職業が底辺に見られやすい理由と、現場の現実を解説しています。 - 警備員にまともな人はいない?
警備業界にクセの強い人が目立つ理由と、現場で信用される人の特徴を解説しています。 - 警備員だけはやめとけと言われる理由
警備員を選ぶ前に知っておきたいリスクと、後悔しやすい人の特徴を解説しています。
まとめ|警備員で人生終了するかは、その後の動き方で変わる
警備員という肩書きだけで、人生は決まりません。
警備で資格や信用を積み上げる。
今の会社を離れ、別の警備会社へ移る。
一度、警備以外の仕事を見てみる。
どの道を選んでも構いません。
ただ、「いつか変わる」と待っているだけでは、人生は勝手に動いてくれません。
警備員になっただけで、人生は終わりません。
今日、次の一手を一つ決められたなら、少なくとも人生はまだ動いています。
警備で腹を決めてもいい。
一度外へ出てもいい。
合わなければ、また戻ってきても大丈夫です。





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