警備員は底辺?現役警備員が“修羅の国”のリアルを本音で語る

「警備員って、底辺の仕事なの?」

「警備員になるのは恥ずかしいのかな」

「このまま警備員を続けていて大丈夫なのか」

警備員について調べていると、「底辺」「やめとけ」「誰でもできる」といった強い言葉を見かけます。

これから警備員になろうとしている人も、すでに働いている人も、不安になりますよね。

現役警備員として本音を言えば、警備員が底辺に見られやすい理由は確かにあります。

入口が広い。給料が低い会社もある。暑さ、寒さ、雨の中で働く。通行人から下に見られることもある。

私自身、現場で「これは底辺だと思われても仕方ないかもしれない」と感じたことがあります。

ただし、警備員という仕事の価値や、そこで必死に働く人の生き方まで底辺ではありません。

雨水を頭からかぶっても、持ち場を離れずに片側交互通行を続ける。

そんな姿を、私は底辺とは呼べません。

この記事では、高校中退後に約3年間ほとんど働かなかった時期を経て警備業界へ入り、現在は管理や教育にも関わる私が、警備員が底辺と言われる理由と現場のリアルをお話しします。

目次

結論|警備員は底辺に見られやすい。でも、仕事の価値まで底辺ではない

警備員には、世間から底辺に見られやすい条件がそろっています。

  • 学歴や職歴に自信がなくても応募しやすい
  • 未経験から始められる会社が多い
  • 給料が低い会社もある
  • 高齢の警備員が目立ちやすい
  • 外からは立っているだけに見えやすい
  • 暑さ、寒さ、雨の中で働くことがある

この部分だけを見て、警備員を底辺と呼ぶ人がいるのは分かります。

かくいう私も、中卒・元ニート・転職多数です。

警備業界の入口の広さを説明するとき、私自身がかなり分かりやすい実例になっています。

ただ、入口が広いことと、仕事に価値がないことは別です。

学歴や職歴に自信がない人でも働き始められる。一度仕事や人生につまずいた人でも、もう一度生活を作り直せる。

それは警備業界の弱さではなく、懐の深さでもあります。

入口が広いからこそ、そこで踏ん張り、もう一度上がろうとしている人がいます。

警備員が底辺と言われやすい3つの理由

警備員が底辺と言われる背景には、採用の入口、待遇、仕事の見え方があります。

未経験でも入りやすいと思われている

警備員は、比較的未経験から始めやすい仕事です。

年齢や学歴、過去の職歴だけで判断せずに採用する会社もあります。

そのため、「ほかの仕事に就けない人が最後に行く場所」「誰でもできる仕事」と見られやすいのでしょう。

ただし、入りやすいことと、誰でも問題なく続けられることは別です。

長時間立ち続ける体力。車や歩行者を確認する集中力。理不尽な言葉を受け流す忍耐力。異常が起きたときに報告する判断力。

実際に働けば、向き不向きがはっきり出る仕事です。

警備員は誰でも受かるのか気になる人は、警備員は誰でも受かるのかを解説した記事も参考にしてください。

給料や待遇が悪い会社もある

警備員の給料や待遇は、会社による差がかなり大きいです。

日給が低い。雨で現場が中止になると収入も減る。資格手当がほとんどない。装備や制服がボロボロ。

正直、「これでは人が定着しないだろう」と思う会社もあります。

一方で、資格や経験を評価し、隊長、管制、教育などの役割を任せる会社もあります。

今いる会社の待遇だけを見て、警備業界全体を判断しないことも大切です。

外からは立っているだけに見える

警備員は、外から見ると「ただ立っているだけ」に見えやすい仕事です。

何も起きていない時間ほど、仕事をしていないように見えます。

しかし実際には、歩行者、車両、作業員、施設利用者、周囲の異常などを確認しています。

交通誘導なら、車両の流れを見ながら、どの車を止め、どの車を進めるかを判断します。

施設警備なら、出入管理、巡回、鍵の管理、設備異常などを確認します。

何も起きていないように見えるなら、何も起こさないために誰かが立っているのかもしれません。

警備員をしていて「底辺だな」と感じる瞬間もある

ここまで警備員を擁護してきましたが、綺麗ごとだけを書くつもりはありません。

自分で働いていても、

「今の俺、なかなか底辺感があるな……」

と感じる瞬間はあります。

真夏は、排気ガスとアスファルトの照り返しに焼かれます。

冬の夜勤は、指先と足先の感覚がなくなり、街中にいるのに「遭難」という言葉が頭をよぎります。

そして大雨の日には、人生で一番、轍が嫌いになります。

大雨の日は、地球人類で一番轍を憎む男になる

大雨の中で、片側交互通行をしていたときのことです。

道路の轍には、たっぷりと雨水がたまっています。

そこへ、大型トラックが近づいてくる。

タイヤの位置を見るだけで分かります。

「あ、これ絶対くる」

分かっていても、片交中なので持ち場から逃げるわけにはいきません。

そしてトラックが、轍の雨水を踏み抜きます。

ズバシャーー!

雨水を頭からまともにかぶる。

この瞬間、私は地球人類で一番、轍を憎む男に変わります。

顔も制服もびしょびしょ。心の中では「ぐぬぬ」と歯を食いしばる。
それでも、笑顔で片側交互通行を続けます。この姿、プロじゃない?と自画自賛しながらね!

…まあ、心の「辞めてやるメーター」は、雨に打たれた時間と比例して上がっていきますけどね。

ホンネちゃん

体は現場に残っていても、心は一足先に退職届を書き始めているワケ。

正直、かなりみじめな気持ちになります。

それでも雨水をかぶったまま持ち場を離れず、事故を起こさないように誘導を続ける。

誰にも褒められなくても、自分の役割を投げ出さない。

そこには、警備員としての責任感と意地があります。

何も起きなかったことが、警備員の成果になる

警備員は、目に見える商品を作る仕事ではありません。

事故が起きなかった。不審者が入らなかった。イベントが無事に終わった。工事現場が予定どおり動いた。

何も起きなかったことが、仕事の成果になります。

だから、外からは価値が見えにくい。

それでも、警備員がいなければ安全に回らない現場があります。

工事現場、イベント会場、工場、商業施設、病院、夜間の施設巡回。

誰かが目立たない場所に立ち、異常が起きないように見ているから、普段どおりに動いている場所があります。

見た目は地味です。

大雨の日には、かなりみじめです。

それでも、やっていることまで底辺ではありません。

警備業界は、底辺というより“修羅の国”です

警備業界には、かなり濃い人が集まります。

通行車がウインカーを出さないだけで、反射的に臨戦態勢へ入る戦闘民族警備員。

他人に厳しく、自分にはもっと厳しい超ストイックマン。

休憩へ入ると痕跡ごと消え、時間になっても戻らない休憩の民。

警備一筋で何十年も働く人がいれば、大企業で管理職をしていた人や、高い学歴を持ちながら警備会社へ流れ着いた人もいます。

学歴、職歴、年齢、生きてきた環境はバラバラです。

まるで人種の……いや、人生のるつぼ。

夏は黒焦げローストヒューマン。

冬は氷像。

大雨の日は、轍への憎しみだけで立っています。

こんな混沌と理不尽に満ちた世界を、世間は底辺と呼ぶらしい。
笑わせるな。

ここは、拳王様も裸足で逃げ出す修羅の国です。

ホンネちゃん

底辺なんて一言で片づけるには、
住人の濃度が高すぎるってワケ。

警備業界にいる濃い人たちと、その付き合い方については、警備員にまともな人はいないのかを本音で書いた記事で詳しく紹介しています。

警備業界は、人生を立て直せるほど懐が深い

警備業界には、いろいろな事情を抱えた人が入ってきます。

家族を支えるために働く人。定年後も生活のために働く人。夢を追いながら、空いた日に警備をする人。一度仕事を辞め、もう一度社会へ戻ろうとしている人。

かくいう私も、一筋縄ではいかない経歴でした。

高校中退後、約3年間ほとんど働かず、運送会社とレディスアパレルを経て、28歳ごろに警備業界へ入りました。

最初は短期アルバイトのつもりでした。

警備員であることに劣等感を持ち、何度も辞めようと思いました。

それでも現場へ出て、仕事を覚え、資格を取り、少しずつ任される仕事が増えていきました。

現在は現場だけでなく、警備員の配置、教育、資格指導、管理側の仕事にも関わっています。

警備業界へ入れば、誰でも人生が変わるとは言いません。

会社選びを間違えれば、待遇や人間関係で苦しむこともあります。

それでも警備業界には、過去の学歴や職歴だけで人を切り捨てず、今の働き方を見てもらえる余地があります。

警備業界は、人生が終わった人の集まる場所ではありません。

もう一回ちゃんと生きたい人が、再装備しに来る武器庫のような場所でもあります。

ただし、警備員として生活を立て直せるかは、入る会社にも左右されます。

日給だけでなく、仕事量、雨天中止時の扱い、交通費、資格手当、教育内容、将来任される仕事まで確認してください。

会社を選ぶときの確認ポイントは、警備会社の選び方を管理側の視点で解説した記事にまとめています。

警備員を恥ずかしいと感じるなら、原因を分けて考える

警備員をしている自分が恥ずかしい。

知り合いに見られたくない。家族や友人に仕事を聞かれるのがつらい。制服姿で地元の現場へ立ちたくない。

こう感じる人を、私は責める気にはなれません。

私自身も、警備員であることに劣等感を持っていた時期があります。

ただ、「警備員が恥ずかしい」と感じる理由は分けた方がいいです。

  • 今の会社の給料や扱いに不満がある
  • 暑さ、寒さ、雨など外仕事が体に合わない
  • 警備員という仕事そのものを受け入れられない

警備で上を目指す。別の警備会社へ移る。外仕事を離れる。警備業界から出る。

選べる道は一つではありません。

今の会社の給料や扱いに不満がある

警備の仕事自体は嫌いではなく、今の会社の給料、現場、人間関係、管理体制に不満があるなら、警備員を辞めなくても会社を変えることで楽になる可能性があります。

同じ警備員でも、会社によって日給、仕事量、現場の種類、資格手当、教育の丁寧さは違います。

今いる会社だけで警備業界全体を判断せず、自分の地域にどんな警備員求人があるのか比べてみてください。

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暑さ、寒さ、雨など外仕事そのものが限界

警備員として踏ん張れることと、限界まで我慢し続けることは同じではありません。

真夏の暑さ、冬の寒さ、大雨、夜勤など、外仕事そのものが体に合わない人もいます。

泥だらけになっても現場へ立ち、時間を守り、安全へ気を配ってきた責任感は、警備以外の仕事でも活かせます。

冷たい雨水を頭からかぶらずに働ける仕事も、世の中にはあります。

リモートワークを含む外仕事以外の働き方に興味がある人は、心の「辞めてやるメーター」が100%になる前に、自分にどんな選択肢があるのか相談してみてください。

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警備員という仕事そのものを受け入れられない

警備員という仕事そのものを受け入れられず、働くたびに自分を嫌いになるなら、無理に警備業界へ残る必要はありません。

ただ、警備員を辞めたいと思っても、次にやりたい仕事が決まっている人ばかりではないでしょう。

求人を見ても、自分に何ができるのか分からない。どの転職サービスへ相談すればいいのかも分からない。

その状態では、何となく今の職場へ戻り続けてしまいます。

サクキャリマッチは求人を直接紹介するサービスではなく、複数の転職支援サービスの中から、経験や希望に合う相談先を探すサービスです。

警備業界から出たい気持ちはあっても、次の仕事や相談先が決まっていない人は、まず自分にどんな選択肢があるのか整理してみてください。

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今のモヤモヤ、次の一手に変えよう。

警備員であることへの劣等感に悩んでいる人は、警備員になったら人生終了なのかを本音で答えた記事も読んでみてください。

まとめ|底まで着いたと思うなら、あとは上がればいい

警備員は、底辺に見られやすい仕事です。

入口が広く、給料が低い会社もあり、暑さ、寒さ、雨の中で立つこともあります。

大雨の日には、大型トラックが轍の雨水を跳ね上げ、頭からズバシャーー!とかぶることもある。

その瞬間だけは、地球人類で一番、轍を憎みます。

それでも持ち場を離れず、心の中で「ぐぬぬ」と歯を食いしばりながら、何事もなかったように片交を続ける。

そこには、警備員としての責任感と意地があります。

警備員という肩書きを、無理に誇る必要はありません。

でも、誰かが安全に通れるように立ち続けた自分まで、底辺だと思う必要もありません。

警備員になって収入ができた。毎日仕事へ行けるようになった。資格を取った。家族を支えられるようになった。

それなら、自分の生活は前へ進んでいます。

底辺?

底まで着いたと思うなら、あとは少しずつ上がればいい。

雨水を頭からかぶっても、今日の持ち場を守った。

まずは、それで十分です。

ここまで読んだら、もう仲間。
警備の世界を覗いてみない?

この業界に少しでも興味を持ったならもう仲間。
一度、覗いてみませんか?

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この記事を書いた人

現役警備員として働きながら、警備業界のリアルを発信しています。
交通誘導・施設・雑踏警備を経験し、現在は管理職として現場と人材育成に携わっています。

保有資格:
・警備員指導教育責任者(1号・2号)
・交通誘導警備業務2級
・施設警備業務2級
・雑踏警備業務2級
・列車見張り(列車防護員)
・踏切監視員

これから警備員を目指す方や、現役で悩んでいる方に向けて「きついこともリアルに」分かりやすく発信していきます。

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