交通誘導員に資格は必要?無資格で働ける範囲と1級・2級の違い

「交通誘導員になるには、資格が必要?」
「資格なしでも、指定路線の現場で働ける?」

先に言うと、交通誘導員は資格なし・未経験でも始められます。
高速道路や公安委員会の指定路線など、一部の道路では交通誘導警備業務1級または2級の合格者を配置する必要がありますが、同じ場所で働く警備員全員が有資格者である必要はありません。

求人に書かれている「資格不問」は、応募者を集めるためだけの建前ではありません。
本当に無資格で入社して大丈夫です。
そのうえで交通誘導の資格を取るなら、最初に目指すのは基本的に2級です。

私は交通誘導警備業務2級を持ち、現在は警備会社の管理職として採用・教育・現場配置を担当しています。
この記事では、無資格で働ける範囲、資格者が必要な道路、1級・2級の違いを、全国共通の制度と実際の現場運用を分けて説明します。

疑問結論
資格なしで働ける?無資格・未経験でも始められる
指定路線で働ける?有資格者と一緒に配置基準を満たせば働ける
警備員全員に資格が必要?交通誘導を行う場所ごとに1人以上
最初に取るなら?交通誘導警備業務2級
交通誘導で1級だけが必要な法定配置はある?交通誘導の法定配置は1級・2級のどちらでも満たせる

※現場が離れた複数の場所に分かれる場合などは、それぞれに資格者が必要になる可能性があります。
具体的な配置は、警備会社や発注者、管轄警察へ確認してください。

目次

  【警備員の真夏対策】

真夏の警備は、本当に過酷です。
警備員は制服の関係で、暑くても簡単に服装を変えられません。

暑さでダウンしてしまう前に
『制服の下に着られる薄手のペルチェベスト』
などで、少しでも身体を冷やしてあげてください。

今年の夏も、無理だけはしないでくださいね。

結論|交通誘導員は資格なしでも働ける

警備業法上、警備員になれない条件に該当せず、入社後に必要な教育を受ければ、交通誘導警備業務検定を持っていなくても仕事を始められます。
無資格・未経験で入社する人も、私の会社では珍しくありません。

もちろん、初日から難しい誘導を一人で任せるわけではありません。
私の会社では、本来2人で対応する現場へ、新人を含めて3人配置することがあります。
教えるのが上手な隊員や内勤者を同行させ、余裕のある状態で少しずつ覚えてもらう形です。

仕事の内容や、未経験者が最初に覚えることを知りたい人は、「交通誘導警備員の仕事内容・きつさ・向いている人」も確認してみてください。

私の周りには、警備歴が長くても無資格の人がいる

私が見てきた現場では、資格を持たないまま長く交通誘導を続けている人がいます。
警備歴30年で無資格という人も、私の会社や周囲では特別珍しい存在ではありません。

周囲と連携し、指示を聞いて安全に動ける人なら、無資格でも配置できる現場はたくさんあります。
ただ、資格者が必要な現場へ有資格者として入れないため、会社や地域によっては仕事の選択肢が狭くなります。

管理側としては、資格がないことより、行く先々で人間関係をこじらせる人の方が配置に困ります。
現場は複数人で連携して動くため、資格の有無だけで隊員を評価しているわけではありません。

ホンネちゃん

資格がない人より、どこへ行っても人間関係を壊す人の方が配置に困るのよね。
現場は一人では回らないってワケ。

資格者配置路線では、場所ごとに1人以上の有資格者が必要

次の道路で交通誘導警備業務を行う場合は、交通誘導警備業務1級または2級の検定合格警備員を配置する必要があります。

  • 高速自動車国道
  • 自動車専用道路
  • 道路や交通の状況から、都道府県公安委員会が指定した道路

必要な人数は、交通誘導警備業務を行う場所ごとに1人以上です。
その場所に配置された警備員のうち、1人以上が1級または2級の合格者であれば、必要な配置基準を満たしたうえで、ほかの無資格者も同じ現場で働けます。
現場が離れた複数の場所に分かれる場合は、必要な資格者数が増える可能性があるため個別確認が必要です。

配置基準の内容は、警視庁「検定合格警備員の配置基準」で確認できます。
広島県内の指定路線は、広島県警察「交通誘導警備業務に係る検定合格者配置路線」を確認してください。

国道だから必ず資格者が必要とは限らない

すべての国道が資格者配置路線というわけではありません。
国道か県道かという名称だけでは判断できず、高速自動車国道、自動車専用道路、公安委員会の指定路線に該当するかで決まります。

指定路線は都道府県ごとに異なります。
分からない場合は、警備会社や管轄警察へ確認した方が安全です。

公共工事で使われる交通誘導員A・Bと、法律上の資格者配置を整理したい人は、「交通誘導員A・Bの違いと検定合格者の配置基準」で詳しく説明しています。

交通誘導1級と2級の違い

交通誘導警備業務検定には1級と2級があります。
一般の隊員が最初に目指すなら、現場での実用性が高い2級からで十分です。

比較項目交通誘導2級交通誘導1級
主な位置づけ現場で必要な知識・技能を証明より高度な知識や指導・管理能力を証明
法定配置資格者として配置可能資格者として配置可能
主な内容合図、誘導、資機材、事故時の対応など事前調査、計画、配置、現場指揮など
受検の考え方最初に目指す資格原則として2級取得後に経験を積んで目指す
一般隊員の優先度高い勤務先や受注現場によって異なる

警備業法上の配置基準は1級・2級のどちらでも満たせますが、会社や発注者が独自に1級を求める場合はあります。

1級では、事前調査、警備計画、隊員配置、現場指揮など、管理や指導に近い内容も問われます。
実用性は、勤務先がどのような現場を受注しているかで変わります。

私の会社では交通誘導1級を使う機会がほとんどない

ここからは全国共通の制度ではなく、私の会社の話です。
うちには交通誘導1級が必要になる配置がないため、昔に取得した役職者が1人持っている程度で、現在は会社から積極的に受検を勧めていません。

同じ1級でも、私の会社では雑踏警備業務1級の方が需要があります。
大規模現場を多く扱う会社や、発注者が1級を求める現場では評価が変わるため、「交通誘導1級は必要ない」と全国一律には言えません。

ホンネちゃん

うちでは交通1級は、ほぼ空気なのさ。
必要な現場がないから、誰も取りに行かないってワケ。

交通誘導以外も含めて資格の種類や優先順位を知りたい人は、「警備員の資格一覧と本当におすすめする資格」も参考にしてください。

交通誘導2級を取るメリット

交通誘導2級の価値は、資格手当だけではありません。
資格者として配置できる人が増えるため、管理側にとっても現場を組みやすくなります。

資格者として配置できる現場が増える

2級を持っていれば、資格者配置路線へ有資格者として入れます。
欠員や資格者不足の現場にも応援できるため、仕事が少ない時期でも配置候補になりやすくなります。
そのぶん責任や急な応援が増えることはありますが、交通誘導を続ける人にとって仕事の選択肢が広がるのは大きなメリットです。

建前では、現場仕事ができて、人をまとめられるリーダー気質の人に取ってほしい資格です。
管理側の本音では、昼夜を問わず、いろいろな現場へ動ける人が持っているとかなり助かります。

ホンネちゃん

昼も夜も、突発でも行ける2級持ちは強いのさ。
無資格隊長の現場へ応援で入れるってワケ。

配置先を確保しやすくなるため、無資格のままよりは食いっぱぐれにくくなります。
楽になる資格ではありませんが、長く続けるなら取れる環境で挑戦する価値はあります。

私が見てきた2級手当は日額200~500円程度

これは業界全体の相場ではありません。
私が見てきた範囲では、交通誘導2級の資格手当は日額200~500円程度がいいところでした。

日額か月額か、資格を持っているだけで出るのか、資格者として配置された日に出るのかも会社によって異なります。
大幅な収入アップを期待するより、求人票や面接で支給条件まで確認した方が現実的です。

仕事への自信につながる

2級の勉強や実技練習を通して、交通誘導に必要な知識と基本動作をあらためて確認できます。
資格を取って一人前になるわけではありませんが、積み重ねてきた仕事を形にできるため、自信にもつながります。

資格は現場能力のすべてを保証しない

1級や2級を持っていても、無資格者より誘導が上手いとは限りません。
大ベテランの有資格者が、仕事のできる新人から厳しく注意されることもあります。

資格が証明するのは、検定で求められる知識や技能です。
その場の判断力、説明の仕方、周囲との連携、人をまとめる力には、現場経験も必要です。

試験に向く力、現場に向く力、仕事を続ける意思は、それぞれ別です。

交通誘導2級を目指す時期と会社選び

まずは仕事を経験してからでも遅くない

入社直後から、資格だけを急ぐ必要はありません。
夏の暑さや冬の寒さ、現場の動き、人間関係まで経験し、「この仕事を続けられそう」と思ってから目指しても遅くないです。

私の会社では、本人が「取りたい」と強く希望し、やる気も十分なら、機会がある時に警備歴を問わず挑戦させています。
続くかどうかも分からない段階なら、まずは仕事を経験してからでよいと思っています。

2級には、一律に1年以上の実務経験が必要という条件はありません。
直接検定と特別講習では申込方法が異なり、地域や募集区分によって対象者や必要書類も変わるため、最新の案内を確認してください。

取得ルートや受検条件は、「交通誘導警備業務2級の取り方と直接検定・特別講習の違い」で詳しく説明しています。

資格を取りたいなら会社へ希望を伝える

会社から声をかけられるのを待つ必要はありません。
本人の希望を知らなければ、会社側も受講候補へ入れられないため、言える環境なら「2級を取りたい」と伝えた方がよいです。

定員や日程の都合ですぐ受けられないことはあります。
それでも、何年希望しても機会がなく、資格取得の話すらしにくい会社なら、取得支援のある警備会社と比較するのも選択肢です。

資格取得支援の中身を確認する

求人に「資格取得支援あり」と書かれていても、支援内容は会社によって違います。
面接では、次の3点を具体的に確認しておきましょう。

確認すること具体的な内容
費用受講料・検定料、交通費、宿泊費、不合格時の再受検費用
勤務扱い講習日は出勤扱いか、賃金が出るか、休日扱いになるか
試験対策事前教育、実技練習、教材の用意、再挑戦の可否

会社選びで資格以外に確認したい条件は、「警備会社の選び方と求人票・面接で見るポイント」でも説明しています。

会社が費用や勤務日程を用意してくれる場合でも、不合格になることはあります。
ただ、「会社のお金だから落ちてもいい」ではなく、受ける以上は一発合格を目指して準備する姿勢が大切です。
詳しい試験対策は、「交通誘導2級に落ちる人の特徴と試験対策」で解説しています。

今の会社では資格取得の機会がない人や、資格者として働ける会社を探したい人は、求人票で取得支援と手当の条件を比べてみてください。

まとめ|交通誘導員の資格は仕事の選択肢を増やすもの

交通誘導員は、資格なし・未経験でも始められます。
ただし、高速道路や公安委員会の指定路線などでは、交通誘導を行う場所ごとに1級または2級の合格者が必要です。

これから資格を取るなら、まず交通誘導警備業務2級が実用的です。
大幅な収入アップを保証する資格ではありませんが、資格者として配置できる現場が増え、仕事の選択肢を広げられます。

まずは無資格で現場を経験し、続けられそうだと感じたら会社へ取得希望を伝える。
この順番で考えれば大丈夫です。

空調服を着られない警備員へ

真夏の警備は、本当に過酷です。
炎天下やアスファルトの照り返しの中でも、警備員は決められた制服を着て仕事をしなければなりません。

最近は空調服を支給する警備会社も増えてきました。
ただ、会社や現場によっては、空調服タイプの制服が用意されていなかったり、自由に着用できなかったりすることもあります。

「制服を変えられない警備員でも、何かできる暑さ対策はないか」

私もずっと考えた結果、たどり着いたのが、薄手のペルチェベストを制服の下に着る方法です。

インナーとして着用できる薄手のタイプなら、外から見える警備制服を大きく変えずに、冷却プレートで身体を冷やせます。
商品によっては、空調服と組み合わせて使いやすいものもあります。

もちろん、ペルチェベストを着れば熱中症にならないわけではありません。
水分や塩分の補給、こまめな休憩、体調が悪いときの早めの申告も必要です。

それでも、毎年気合いだけで猛暑に耐えるより、身体を冷やせる装備をひとつ持っておく方が安心です。

空調服を着られない現場で働いている人は、制服の下から冷やすという方法も一度チェックしてみてください。

今年の夏も、無理だけはしないでくださいね。ご安全に!

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この記事を書いた人

現役警備員として働きながら、警備業界のリアルを発信しています。
交通誘導・施設・雑踏警備を経験し、現在は管理職として現場と人材育成に携わっています。

保有資格:
・警備員指導教育責任者(1号・2号)
・交通誘導警備業務2級
・施設警備業務2級
・雑踏警備業務2級
・列車見張り(列車防護員)
・踏切監視員

これから警備員を目指す方や、現役で悩んでいる方に向けて「きついこともリアルに」分かりやすく発信していきます。

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