「警備員には、まともな人がいないって本当?」
「入った会社に変わった人が多くて不安」
「これから警備員になりたいけど、人間関係が怖い」
警備員について調べていると、「変な人が多い」「まともな人が少ない」といった話を見かけます。
先に結論を言うと、警備員にも、現場で信用できるまともな人は普通にいます。
ただし、私が働いてきた会社や現場では、愛想よく雑談し、誰とでも器用に付き合える人は、それほど多くありませんでした。
愛想がない。
会話が続かない。
逆に、一度話し始めると止まらない。
第一印象だけなら、「ちょっと変わった人だな」と感じることは珍しくありません。
ところが、きちんと付き合ってみると、無愛想でも困っている新人を助ける人や、口は悪くても現場を最後まで守る人がいます。
第一印象がよい人と、現場で信用できる人は、必ずしも同じではありません。
かくいう私も、中卒・元ニート・転職多数。
おまけに、警備会社の面接へデニムのハーフパンツとカジュアルシャツで行きました。
「おやおや、リゾート帰りですかな?」
そう言われても文句を言えない格好です。
どこから見ても、まごうことなき「まともじゃない側」の人間でした。
この記事では、そんな私が警備業界で実際に出会った人たちをもとに、警備員に変わった人が多く見える理由と、本当に信用できる人の特徴をお話しします。
結論|警備員にもまともな人はいる。ただし、見るべきなのは日々の行動
警備員にまともな人がいるかどうかは、「まとも」という言葉をどう考えるかで変わります。
一般的な職場で、第一印象がよい人と思われやすいのは、次のような人でしょう。
- 愛想よく挨拶ができる
- 当たり障りなく雑談できる
- 相手に合わせて受け答えができる
- 感情を表へ出しすぎない
- 職場で適度な距離を保てる
正直に言えば、私が働いてきた警備会社では、誰とでも器用に雑談できるタイプは多くありませんでした。
一方、警備の現場で信用されるのは、次のような人です。
- 遅刻や無断欠勤をしない
- 現場のルールを守る
- 分からないことを確認できる
- 異常やミスを隠さず報告する
- 新人や困っている人を見捨てない
- 預かった鍵や装備品を丁寧に扱う
雑談が苦手でも、愛想が少なくても構いません。
毎日きちんと現場へ来て、自分の役割を果たせる人は信用されます。
警備業界で本当に見るべきなのは、話し上手かどうかではなく、日々の行動が信用できるかどうかです。
警備員に「まともじゃない人」が多く見える理由
警備業界にクセの強い人が目立つことには、いくつか理由があります。
年齢・学歴・職歴の幅が広い
警備業界には、若い人から定年後の人まで、さまざまな年齢の人がいます。
会社員を定年退職した人。
元職人。
元営業職。
自営業を辞めた人。
長い空白期間がある人。
転職を何度も経験した人。
これまでの経歴や価値観がバラバラなので、一般的な会社よりも職場の雰囲気が均一になりにくいです。
同じ制服を着て並んでいても、中身は人生の異種格闘技戦です。
過去につまずいた人にも入口が開かれている
警備業界には、年齢や学歴、過去の職歴だけで応募者を判断しない会社もあります。
転職回数が多い人。
長く働いていなかった人。
人間関係や仕事で一度つまずいた人。
そうした人が、もう一度働き始める場所として警備業界を選ぶことがあります。
私も高校中退後、約3年間ほとんど働かなかった時期がありました。
面接へハーフパンツで行った人間を採用してくれたのも、警備会社です。
入口が広いぶん、社会人として器用に振る舞うことが苦手な人も入ってきます。
ただし、過去につまずいたことと、人として問題があることは別です。
失敗した経験があるからこそ、新人のミスや他人の弱さへ寛容な人もいます。
一人で働く時間が長く、会話が苦手でも続けやすい
警備の仕事には、一人で立つ時間や、必要最低限の会話だけで終わる現場があります。
営業職のように会話を続けたり、接客業のように笑顔を保ったりしなくても、仕事をこなせる場面があります。
そのため、人付き合いや雑談が苦手な人でも働きやすい部分があります。
ただ、普段あまり会話をしない人が、長い待機時間や移動車で誰かと一緒になると、独特の距離感が生まれることもあります。
人間関係の濃さや、うざい先輩との具体的な付き合い方については、警備員の人間関係を解説した記事にまとめています。
第一印象が変わっていても、行動を見ると親切な人がいる
私が警備員として働いてきて、何度も感じたことがあります。
話し方が不器用だからといって、人として悪いとは限りません。
こちらが話しかけても、
「ふん。知らんよ」
これだけで会話が終わる人がいます。
言葉だけを見れば、かなり感じが悪いです。
ところが、新人が困っていれば黙って助ける。
装備が足りなければ、自分の物を貸す。
体調が悪そうなら、何も言わずに負担の軽い場所と代わる。
口から出る言葉は「ふん。知らんよ」なのに、行動だけを見ると誰よりも親切だったりします。
逆に、わけが分からないほど、ひたすらしゃべり続ける人もいます。
最初はこちらへ話していたはずなのに、ヒートアップすると自分で質問し、自分で答え、自分で反論を始める。
気づけば一人三役です。
こちらはもう、会話の参加者ではありません。
観客です。
ホンネちゃん会話に参加したはずなのにさ。
途中から観覧席へ移動しているってワケ。
こうした人は、一般的な会社では「コミュニケーションが苦手な人」と評価されるかもしれません。
ただ、会話が上手かどうかと、困ったときに信用できるかどうかは別です。
警備の現場には、クセが強くても頼りになる人がいる
警備業界には、付き合いやすいとは言えないものの、仕事では頼りになる人がいます。
新人にも容赦しない超ストイックマン
まずは、超ストイックマン。
自分へ厳しいだけでなく、同僚、後輩、先輩、上司、全員へ高い水準を求めるタイプです。
新人が「今日が初めての現場です」と自己紹介した直後でも関係ありません。
- 周囲を見ろ
- 声が小さい
- 無線を聞け
- 次の車を見ろ
- 作業員の動きを読め
一気に飛んできます。
普通にパンクします。
ストイックマンの中では、新人もベテランも人類皆平等です。
ただ、このタイプは仕事をよく見ています。
最初から完璧にできなくても、必死に覚えようとしている新人は意外と評価しています。
仕事を覚え始めると、急に態度が軟化することもあります。
ツンデレです。
かなり怖いタイプの。
現場では頼りになりますが、新人教育まで上手いとは限りません。
新人へ最初から多くを求めすぎれば、混乱や事故、早期離職につながることがあります。
仕事ができることと、相手の段階に合わせて教えられることは別です。
管理側としては、新人を任せる相手や教え方を調整する必要があります。
正義感に全振りした男梅タイプ
次は、男梅みたいな隊員です。
昭和を煮詰めて、融通という言葉をどこかへ置いてきたような人です。
通行者が少しでもルールから外れると、容赦なく己の正義を叩きつけます。
相手が小学生だろうが、顔を真っ赤にしたバーサーカーおじさんだろうが関係ありません。
仕事中なら、立入禁止場所へ入った猫にも多分注意します。
猫からすると理不尽ですが、男梅からすると平等です。
もちろん、正義感を振り回して現場の空気を悪くするのは、良い警備とは言えません。
危険を止める行動力があっても、相手へ伝わる言い方ができなければ、不要なクレームやトラブルを増やします。
一方で、誰もが嫌がるクレーム対応へ向かい、危険な行動を見れば真っ先に動くのも、このタイプです。
危険な場面では頼りになる。
ただし、言い方や相手との距離感には問題がある。
超ストイックマンも男梅も、付き合いやすい人ではありません。
それでも、クセが強いことと、人として問題があることは同じではありません。
本当に関わらない方がいい警備員もいる
ここまで、クセは強くても現場では頼りになる人についてお話ししました。
ただし、警備員なら誰でも「不器用だけど、本当はいい人」と考える必要はありません。
次のような行動を繰り返す人とは、無理に仲良くしない方がいいです。
- 新人や気の弱い人だけを狙って怒鳴る
- 自分のミスを他人へ押しつける
- 無断で持ち場を離れる
- 危険な行動やルール違反を繰り返す
- 相談しても無視や嫌がらせを続ける
- 預かった鍵や装備品を雑に扱う
会話が下手でも、無愛想でも構いません。
しかし、危険な行動をする。
責任を他人へ押しつける。
弱い人だけを攻撃する。
これは「変わった人」ではなく、現場で問題になる人です。
単なる個性と、仲間や現場へ実害を与える行動は分けて考えなければいけません。
一人で抱え込まず、隊長や管制、管理側へ相談してください。
具体的な対処法については、警備員の人間関係とクセの強い人への対処法で詳しく解説しています。
当たり前のことを続けられる人は、現場で信用される
ここまで読むと、
「やっぱり警備業界ってヤバいじゃないか」
と思うかもしれません。
半分正解です。
ただ、クセの強い人もいる業界だからこそ、基本を毎日続けられる人は現場で信用されます。
- 時間どおりに出勤する
- 挨拶と返事ができる
- 嘘をつかない
- 報告・連絡・相談ができる
- 同じ失敗を少しずつ減らす
- 決められたルールを守る
「そんな当たり前のこと?」と思うかもしれません。
でも、その当たり前を毎日続けられる人は貴重です。
人付き合いが少し苦手でも構いません。
話が面白くなくても、愛想が少なくても、現場へきちんと来て仕事を覚える人は評価されます。
今の自分を「まともじゃない」と思っている人でも、日々の行動で信用を積み重ねることはできます。
まともな警備員が多いかは、会社の管理で変わる
どの警備会社にも、クセの強い隊員が一人や二人いる可能性はあります。
問題は、変わった人がいることではありません。
その人が現場で問題を起こしたときに、会社がどう動くかです。
管理側が機能している会社なら、次のような対応を検討します。
- 新人をいきなり難しい現場へ放り込まない
- 相性が悪い隊員同士を離す
- 相談や苦情を聞いて配置を調整する
- 怒鳴る、無視するなどの問題行動を放置しない
- 現場任せにせず、管理側が状況を確認する
- 必要に応じて指導や教育を行う
反対に、何を相談しても、
「警備員なんて、そんなもんよ」
「お前が我慢すれば済む」
「人がいないから、そのまま行って」
で終わる会社もあります。
変な隊員が一人いるのは仕方ありません。
その隊員を何年も放置し続けるなら、隊員だけでなく会社側にも問題があります。



変な隊員がいるのは仕方ない。
会社まで一緒に変になる必要はないのさ。
警備の仕事自体は嫌いではなく、今の会社の人間関係や管理体制がしんどいだけなら、警備業界全体を嫌いになる前に、ほかの会社も見てください。
会社によって、教育の丁寧さ、現場の種類、隊員への対応、資格手当や将来の役割は違います。
会社を比較するときは、日給だけでなく、問題が起きたときに管理側が動いてくれるかも確認することが大切です。
詳しくは、警備会社の選び方を管理側の視点で解説した記事も参考にしてください。
今の会社以外では、どんな警備求人があるのか確認してみる方法もあります。
私が出会った、本当にまともな警備員
私の警備員としての原点に、忘れられない女性警備員がいます。
新人だった私は、手旗と無線機を同時に扱うことができませんでした。
頭の中は無線でいっぱい。
旗は止まり、周囲も見えなくなる。
そんな私へ、彼女は笑いながらコツを教えてくれました。
面倒くさそうに立っていれば厳しく注意され、少し上達すればきちんと褒めてくれました。
資格を取ったときも、出世したときも、自分のことのように喜んでくれました。
彼女は、間違いなくまともな警備員でした。
仕事ができるだけではありません。
新人の失敗を笑わず、必要なときは厳しく、成長したら一緒に喜んでくれる人でした。
その人に出会えたことで、私も「人としてだけは」少しまともになれた気がします。
警備業界には変わった人もいます。
でも、ちゃんと人を見てくれる人もいます。
新人を育てようとする人もいます。
不器用なりに仲間や現場を守ろうとする人もいます。
誰と出会うかによって、警備業界の見え方は大きく変わります。
職業へのイメージと、働いている人の人物像は別の話
「警備員は底辺なのか」と「警備員にまともな人がいるのか」は、似ているようで別の疑問です。
この記事で扱っているのは、警備員として働く人の人物像です。
愛想がない人や、会話が苦手な人はいます。
クセが強く、付き合いにくい人もいます。
それでも、現場で信用できる人は確かにいます。
警備員のイメージや将来が気になる人へ
警備員へのネガティブなイメージには、職業への評価、働く人の人物像、将来への不安など、異なる悩みがあります。
- 警備員は底辺?
警備員という職業が底辺に見られやすい理由と、現場の現実を解説しています。 - 警備員は人生終了?
警備員を続けた先の将来や、警備業界から人生を立て直せるのかを解説しています。 - 警備員だけはやめとけと言われる理由
警備員を選ぶ前に知っておきたいリスクと、後悔しやすい人の特徴を解説しています。
まとめ|警備員にも、現場で信用できるまともな人はいる
警備業界には、愛想よく雑談し、誰とでも器用に付き合える人は、それほど多くないかもしれません。
愛想がない人。
会話が一言で終わる人。
一人三役でしゃべり続ける人。
新人にも容赦しないストイックマン。
猫にも正義を叩きつけそうな男梅。
警備業界には、いろいろな人がいます。
でも、まともに見えるかどうかと、人として信用できるかどうかは別です。
話し方が不器用でも、情に厚い人はいます。
口は悪くても、困ったときに助けてくれる人もいます。
警備員にも、まともな人はいます。
ただ、世間が考える「まとも」と、現場で信用される「まとも」が少し違うだけです。
私も、ハーフパンツで面接へ行った頃よりは、少しくらいまともになったと思っていました。
どうやら、確実に長くなったのはズボンの丈だけだったようです。





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