交通誘導員の合図に従わない車はどうする?無視・突破されたときの対処法

交通誘導 警備員 止まらない 従わない

「停止の赤旗を出したのに、車が止まらない」
「そのまま進もうとする車は、体を張って止めるべき?」
「警備員の合図を無視されたら、どうすればいい?」

交通誘導をしていると、停止合図を出しても車が止まらないことがあります。
ただ、ここで最初に知っておきたいのが、止まらない車がすべて意図的な突破とは限らないことです。

停止合図がうまく伝わらず、進んでいいのか止まるのか迷っている人もいます。
そもそも警備員の存在や停止合図に気づいていない場合もあります。

基本として、車の前へ体を出して無理やり止めるのは危険です。
しかし、行こうとする車を何もせず見逃せばいいわけでもありません。

私は交通誘導警備業務2級を持ち、現在は警備員の教育や配置にも関わっています。
この記事では、停止しない車の動き方を3パターンに分けて、現場でどう対応するのかを解説します。

目次

  【警備員の真夏対策】

真夏の警備は、本当に過酷です。
警備員は制服の関係で、暑くても簡単に服装を変えられません。

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今年の夏も、無理だけはしないでくださいね。

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結論|体で止めない。でも、何もせず見逃すわけでもない

停止合図を出したのに車が進んできた場合、まず大切なのは車の動きと運転手の反応を見ることです。

停止する様子がなく、そのまま進んでいるのか。
合図の意味が伝わっていないのか。
それとも、警備員や停止合図そのものに気づいていないのか。

合図が伝わっていない可能性があるなら、安全な位置から赤旗や誘導灯を見えやすく動かし、必要に応じて警笛や声でも停止を伝えます。
一方、減速せず進んでくる車へ体を張って対抗してはいけません。

スクロールできます
止まらない車見え方基本対応
①停止する様子がなく、そのまま進んでくる車減速せず、そのまま進む・加速する前へ出て止めず、周囲へ危険を伝える対応へ切り替える
②合図が伝わっていない車止まるか進むか判断できず、動きが曖昧赤旗・誘導灯を見えやすくし、停止を伝え直す
③合図に気づいていない車警備員を認識せず、そのまま進んでくる目に入りやすい合図+必要に応じて警笛・声で知らせる

交通誘導では、停止合図を出したことだけでなく、相手に伝わり、実際に車が止まったところまで確認することが重要です。

停止しない車は、動き方で大きく3パターンに分けて考える

この3パターンは、運転手の気持ちを決めつけるための分類ではありません。
車の挙動を見ながら、現場で対応を切り替えるための考え方です。

①停止する様子がなく、そのまま進んでくる車

停止合図を出していても、車が一定の勢いでそのまま進んだり、加速したりすることがあります。

車の速度や動きを見て、「このままでは停止しない」と判断できる場合もあります。
この状態で、警備員が車の正面へ入って止めようとするのは危険です。

人と車で張り合っても勝負になりません。
自分の安全を確保し、反対側の警備員や作業員へ危険を伝える対応へ切り替えます。

ホンネちゃん

車とチキンレースしちゃダメなのさ。
勝っても得るものないってワケ。

②停止合図が伝わらず、進むか止まるか迷っている車

警備員から見ると明確に停止合図を出しているつもりでも、ドライバーにはうまく伝わっていないことがあります。

少し進んでは止まりそうになったり、速度を落としながらこちらの様子を見たりと、「進むのか止まるのか」が曖昧な動きになるケースです。

この場合は、赤旗や誘導灯をドライバーの目線に入りやすい位置で見せ、停止の合図をもう一度はっきり伝えます。
合図が伝われば、止まってくれることがあります。

③停止合図そのものに気づいていない車

もう一つが、警備員や停止合図そのものを認識していないように見えるケースです。

道路状況や周囲の車、歩行者などへ意識が向いていることもあります。
夜間なら、警備員の位置が分かりにくい状況も考えられます。

この場合も車の前へ出るのではなく、安全な位置から赤旗や誘導灯を相手の視界へ入りやすくし、必要に応じて警笛や声でも危険を伝えます。

実際には、合図の意味が伝わっていないのか、警備員そのものに気づいていないのかを完全に見分けられないこともあります。
どちらの場合も、車の正面へ出ず、安全な位置から停止を伝え直すのが基本です。

「停止合図を出した」と「停止合図が伝わった」は別です。
停止・進行合図の基本は、交通誘導のやり方を図解した記事で詳しく紹介しています。

合図が伝わっていない車には、まず停止を伝え直す

まだ停止合図が伝わっていない可能性があるなら、警備員側にもできることがあります。

  • 赤旗や誘導灯をドライバーの目線に入りやすくする
  • 停止の合図を小さくせず、相手から見えるようにはっきり出す
  • 必要に応じて警笛を使う
  • 危険が迫っていれば声でも知らせる

ただし、停止させようとして自分が車道の危険な位置へ出てはいけません。
あくまで安全な位置から、相手へ合図を伝えるのが前提です。

特に新人のうちは、「赤旗を出したから、あとは運転手の問題」と考えない方がいいです。
車が減速したか、運転手がこちらを認識したか、実際に停止したかまで確認します。

ホンネちゃん

旗を出したから仕事終了!じゃないのさ。
止まって初めて止めたってワケ。

停止せず進んでくる車は、体を張って止めない

合図を出しても減速せず、そのまま進んでくる車もあります。
ここで一番やってはいけないのが、車の正面へ出て、自分の体で止めようとすることです。

2026年7月、警視庁は路上工事現場で発生した交通事故を公表しています。
片側交互通行中、停止合図に気づかず進んだバイクを止めようとして、別の交通誘導員が車道へ出たところバイクと衝突し、双方が転倒・負傷しました。

警視庁は事故防止対策として、停止合図に従わない車両があっても車両の前へ出て止めず、反対側の交通誘導員へ連絡して逆方向からの車両進入を止めるよう案内しています。
あわせて、警笛で周囲へ危険を知らせることも挙げています。

参考:警視庁「路上工事現場の交通事故防止関連」

一台を止めようとして交通誘導員まで事故に遭えば、さらに危険な状態になります。
勇敢さより、安全を優先してください。

車に突破されたら、ナンバーより先に危険を伝える

停止合図に従わず車が突破したら、最優先したいのは反対側や現場へ、車が向かっていることを伝えることです。

片側交互通行なら反対側から車が来る可能性があります。
工事車両や作業員が車道へ入っているかもしれません。

現場や会社で共有している無線ルールや用語を使い、たとえば「車両突破、そちらへ向かっています」などと、簡潔に危険を伝えます。

車種や色、ナンバーなども、確認できた範囲で共有すれば構いません。
ただ、車両情報の確認に集中して危険連絡が遅れたら本末転倒です。

まず事故を防ぐ。車両情報の確認はそのあと。
この順番は崩さない方がいいです。

車両突破や誘導ミスが事故につながった場合の責任、事故後に会社がどう対応するかは、警備員がミスするとどうなる?誘導事故の責任と対処法で詳しく解説しています。

交通誘導員の停止合図に法的な強制力はある?

交通誘導員の停止合図は、警察官の手信号と同じものではありません。

警備業法第15条では、警備員は警備業法によって特別な権限を与えられているものではないことに留意して業務を行うよう定められています。
そのため、交通誘導員が警察官のような権限を使って、強制的に車を停止させることはできません。

道路交通法第7条で従うことが義務づけられているのは、信号機の信号や警察官等の手信号などです。
交通誘導員の停止合図そのものに、警察官の手信号と同じ法的強制力があるわけではありません。

ただし、これは「警備員なら無視して好きに走っていい」という意味ではありません。

道路標識などによる通行規制があれば、その規制は別に守る必要があります。
また、車両の運転者には、道路や交通状況に応じて他人へ危害を及ぼさない速度と方法で運転する安全運転義務があります。

「警備員の合図を無視した」という一点だけで、すべてのケースを違反かどうか判断することはできません。
実際の道路規制や運転状況によって判断は変わります。

警備員にできること・できないことは、警備員に権限はある?で詳しく整理しています。

新人に伝えたいのは「止める」より「伝わったかを見る」こと

新人ほど、「赤旗を正しく出せたか」に意識が向きます。
しかし、大切なのは運転手がこちらを認識し、停止の意味が伝わり、実際に車が止まったかを見ることです。

合図が伝わっていなければ伝え直す。
それでも停止せず進んでくるなら、車と張り合わず、その先で事故を起こさないための対応へ切り替えます。

車を絶対に止めることが目的ではありません。
車、人、作業員を安全に通すことが交通誘導の目的です。

ホンネちゃん

伝わってないなら、伝え直す。
それでも来るなら、勝負しない。
この切り替えが大事なのさ。

まとめ|止まらない理由を決めつけず、車の動きを見て対応する

交通誘導員が停止合図を出しても、車が止まらないことはあります。
そのときは、すべてを意図的な突破と決めつけず、車の動きと運転手の反応を見て対応を切り替えてください。

合図が伝わっていない可能性があるなら、安全な位置から赤旗や誘導灯、必要に応じて警笛や声で停止を伝え直します。
一方、停止せず進んでくる車を体で止めようとしてはいけません。

突破された場合は、まず反対側の誘導員や作業員へ危険を伝え、二次事故を防ぎます。
交通誘導では、「合図を出したか」ではなく「相手に伝わり、安全な状態になったか」まで確認することが大切です。

空調服を着られない警備員へ

真夏の警備は、本当に過酷です。
炎天下やアスファルトの照り返しの中でも、警備員は決められた制服を着て仕事をしなければなりません。

最近は空調服を支給する警備会社も増えてきました。
ただ、会社や現場によっては、空調服タイプの制服が用意されていなかったり、自由に着用できなかったりすることもあります。

「制服を変えられない警備員でも、何かできる暑さ対策はないか」

私もずっと考えた結果、たどり着いたのが、薄手のペルチェベストを制服の下に着る方法です。

インナーとして着用できる薄手のタイプなら、外から見える警備制服を大きく変えずに、冷却プレートで身体を冷やせます。
商品によっては、空調服と組み合わせて使いやすいものもあります。

もちろん、ペルチェベストを着れば熱中症にならないわけではありません。
水分や塩分の補給、こまめな休憩、体調が悪いときの早めの申告も必要です。

それでも、毎年気合いだけで猛暑に耐えるより、身体を冷やせる装備をひとつ持っておく方が安心です。

空調服を着られない現場で働いている人は、制服の下から冷やすという方法も一度チェックしてみてください。

今年の夏も、無理だけはしないでくださいね。ご安全に!

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この記事を書いた人

現役警備員として働きながら、警備業界のリアルを発信しています。
交通誘導・施設・雑踏警備を経験し、現在は管理職として現場と人材育成に携わっています。

保有資格:
・警備員指導教育責任者(1号・2号)
・交通誘導警備業務2級
・施設警備業務2級
・雑踏警備業務2級
・列車見張り(列車防護員)
・踏切監視員

これから警備員を目指す方や、現役で悩んでいる方に向けて「きついこともリアルに」分かりやすく発信していきます。

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