「警備員の新任教育は何時間?」
「現任教育は毎年何時間受けるの?」
「資格を持っていたら、教育時間は短くなる?」
警備員の教育時間は、全員が同じではありません。
一般的な未経験者なら、新任教育は20時間以上、現任教育は年度ごとに10時間以上ですが、警備業務の経験や1級・2級検定、警備員指導教育責任者などの資格によって短縮・免除される場合があります。
私は現在、警備会社で教育にも関わっていますが、この制度は資格と担当業務の組み合わせが入ると一気に分かりにくくなります。
この記事では、まず教育時間を一覧で確認し、そのあと「なぜ人によって時間が違うのか」を分かりやすく整理します。
警備員の教育時間一覧表
先に、主な教育時間を一覧で見てみましょう。
何も資格や経験がない一般警備員は、まず一番上を見ればOKです。
| 警備員の区分 | 新任教育 | 現任教育 |
|---|---|---|
| 一般警備員 | 20時間以上 | 年度ごとに10時間以上 |
| 最近3年間に、これから行う警備業務を通算1年以上経験している人 | 7時間以上 | 年度ごとに10時間以上 |
| 経験はあるが、これから別の区分の警備業務へ就く人 | 13時間以上 | 年度ごとに10時間以上 |
| 元警察官(警察官として通算1年以上) | 13時間以上 | 年度ごとに10時間以上 |
| 当該警備業務1級の合格証明書を持ち、その業務へ就く人 | 免除 | 免除 |
| 当該警備業務2級の合格証明書を持ち、その業務へ就く人 | 免除 | 年度ごとに6時間以上 |
| 警備員指導教育責任者資格者証を持ち、対応する区分の業務へ就く人 | 免除 | 免除 |
このほか、資格を持っていて別の警備業務へ移る場合や、機械警備業務管理者資格者証を持っている場合など、細かい区分があります。
まず大前提として、資格を一つ持っていれば、どんな警備業務でも教育が全部免除されるわけではありません。
制度上の細かい区分まで確認したい場合は、警視庁「警備員に対する教育時間」の一覧も確認してください。
一般警備員は新任20時間・現任10時間が基本
未経験で警備会社へ入り、教育時間の免除や短縮に当たる資格・経験がない人は、新任教育を20時間以上受けます。
警備員として働き始めたあとは、基本的に現任教育を年度ごとに10時間以上受ける形です。
新任教育は、警備員として実際の勤務に就かせる前に受ける教育です。
20時間すべてを一日で行うわけではなく、会社によって日程の組み方は異なります。
たとえば3日間で組むなら、7時間・7時間・6時間のように分けることもできます。
「新任教育は必ず3日間」という決まりではなく、必要な教育時間を満たすように会社が教育計画を組みます。
新任教育で何をするのか、研修中の給料や実技、現場へ出せない人については、警備員の新任教育の内容・きつさを解説した記事で詳しく紹介しています。
現任教育は半年ごとではなく「年度ごと」に10時間以上
現任教育は、すでに警備業務へ就いている警備員が受ける定期教育です。
一般警備員の場合、現在は4月1日から翌年3月31日までの年度ごとに10時間以上となっています。
ここは古い情報と混ざりやすいところです。
以前は半年ごとの教育期で時間が決められていましたが、2019年の改正で教育頻度と時間が見直されました。
現任教育の内容や、「正直眠いだけでは?」という現場側の本音については、警備員の現任教育とは?時間・内容・受ける意味で詳しく解説しています。
「新任教育は30時間」という情報は古い
警備員の教育時間を調べると、「新任教育は30時間」「現任教育は年間16時間」と書かれた古い情報が出てくることがあります。
これは完全な間違いというより、制度改正前の教育時間です。
2019年8月30日に施行された改正で、警備員教育の時間数と教育頻度が見直されました。
一般警備員の場合、改正前は新任教育が基本教育15時間以上+業務別教育15時間以上の合計30時間以上、現任教育は半年ごとに基本教育3時間以上+業務別教育5時間以上でした。
現在は、新任20時間以上、現任は年度ごとに10時間以上です。
ホンネちゃん30時間で覚えている人もいるのさ。
昔は本当に30時間だったから、記憶違いとは限らないのよね。
警備経験があると、新任教育が短くなる場合がある
一度警備員を辞めて別の会社へ入ったからといって、必ず20時間を最初から受け直すとは限りません。
最近3年間に、これから従事する警備業務を通算1年以上経験している場合は、基本教育と業務別教育を合わせて7時間以上に短縮される区分があります。
一方、警備経験自体はあっても、これまでと違う区分の警備業務へ就く場合は13時間以上です。
「警備歴が長い=全部免除」ではなく、何の警備業務を、いつ、どれくらい経験したかで変わります。
ここでいう経験者は、原則として最近3年間に当該警備業務へ従事した期間が通算1年以上ある人です。
昔少しだけ警備員をしていたというだけでは、自動的に経験者扱いになるわけではありません。
1級・2級検定を持っている場合の教育時間
警備業務検定の合格証明書を持っている人は、基本教育が免除されます。
さらに、持っている資格と実際に従事する警備業務が一致している場合は、新任教育の扱いが大きく変わります。
1級で当該警備業務へ就く場合
当該警備業務1級の合格証明書を持ち、その資格に対応する警備業務へ就く場合、新任教育・現任教育ともに免除です。
2級で当該警備業務へ就く場合
当該警備業務2級の合格証明書を持ち、その資格に対応する業務へ就く場合、新任教育は免除されます。
現任教育は完全免除ではなく、年度ごとに業務別教育6時間以上です。
ここは1級と2級で違うため、資格を持っている本人も会社側も間違えないようにしたいところです。
警備員指導教育責任者は、対応する区分なら新任・現任とも免除
警備員指導教育責任者資格者証を持っていて、その資格者証に対応する警備業務の区分へ就く場合は、新任教育・現任教育ともに免除されます。
ただし、指導教育責任者を持っているからといって、すべての号の警備業務が免除になるわけではありません。
持っている資格者証の区分と、実際に行う警備業務が対応しているかが重要です。
資格者や検定合格者が、資格と異なる警備業務へ就く場合は、基本教育だけ免除され、業務別教育が必要になるケースがあります。
さらに当該警備業務の経験がある場合は、その業務別教育が10時間以上から3時間以上へ短縮される区分もあります。
新任教育を受けた年度は、現任教育をまた10時間受ける?
「今年入社して新任教育を20時間受けたのに、その年に現任教育10時間も受けるの?」と思う人もいるでしょう。
警備業法施行規則では、新任教育として基本教育を行った年度は、その年度の現任教育の基本教育を行わなくてもよいとされています。
業務別教育についても、新任教育を行った年度は、その教育に対応する警備業務について現任の業務別教育を行わなくてもよい規定があります。
そのため、同じ年度に新任教育20時間を受けた人へ、法定の現任教育10時間をそのまま追加するという単純な仕組みではありません。
会社独自の追加教育や、担当する警備業務が変わった場合などは別に考える必要があります。
新任教育の一部を現場で行う「実地教育」もある
新任教育の業務別教育は、条件を満たせば一部を実際の警備現場で行うこともできます。
一般警備員の場合、実地教育にできるのは、実施する業務別教育の半分までで、上限は5時間です。
ただし、これは「新人を人数として現場へ投入して、働きながら覚えてもらう」という意味ではありません。
警視庁も、実地教育は現場で必要な動作や技術を経験させるマンツーマン方式の教育であり、実際の勤務を目的にしないよう注意しています。



教育なのに、「人が足りないから、とりあえず一人として数えよう」では本末転倒なのさ。
教育担当から見ると、時間だけ消化しても意味がない
警備員教育には法定の時間がありますが、20時間座っていれば自動的に一人前になるわけではありません。
特に未経験者の場合、法律の言葉を全部覚えることより、警備員に強制権がないこと、事故が起きそうなときに自分の安全を優先すること、分からないことを勝手に判断しないことの方が、現場へ出る前には大切です。
逆に、実技がぎこちなくても、説明を聞いて素直に修正できる人なら、現場へ出てから伸びる余地があります。
法定時間を満たすことは最低条件で、その時間をどう使うかは教育する側にも責任があります。
まとめ|まず一般警備員は「新任20時間・現任10時間」で覚えればOK
資格や経験がない一般警備員なら、新任教育は20時間以上、現任教育は年度ごとに10時間以上が基本です。
経験者、1級・2級検定の合格証明書を持つ人、警備員指導教育責任者などは、担当する警備業務との組み合わせによって短縮・免除があります。
ネットに残っている「新任30時間」「現任16時間」は、2019年の制度改正前の情報です。
また、資格を持っている場合も、何の資格で、どの警備業務へ就くのかによって必要時間は変わります。
自分の教育時間が特殊なケースに当たりそうなら、自己判断せず、勤務先の警備員指導教育責任者へ確認してください。
新任教育そのものを詳しく知りたい方は新任教育の記事、すでに働いている方は現任教育の記事へ進むと、必要な内容を深掘りできます。









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