警備員がミスするとどうなる?誘導事故の責任と対処法を現役管理職が解説

警備員 交通誘導 ミス

「警備員が誘導を間違えて事故が起きたら、誰が責任を負う?」
「一度ミスをしたら、現場を外されたり解雇されたりする?」
「停止合図を無視して車に突破された場合も、警備員の誘導ミスになる?」

警備員は安全を守る仕事なので、小さな確認不足や連絡の遅れが、事故やクレームにつながることがあります。

ただ、一度ミスをしたからといって、すぐ解雇されるとは限りません。
事故の責任は、警備員の合図だけでは決まらず、運転手の安全確認や現場の人数配置も含めて判断されます。

私は交通誘導、施設警備、機械警備、雑踏警備を経験し、現在は警備員の配置や教育にも関わっています。

この記事では、ミスや交通誘導事故の後に会社がどう動くのか、誰の責任になるのか、現場でミスを減らす方法まで、管理側の経験を交えて解説します。

目次

  【警備員の真夏対策】

真夏の警備は、本当に過酷です。
警備員は制服の関係で、暑くても簡単に服装を変えられません。

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今年の夏も、無理だけはしないでくださいね。

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結論|警備員のミスで一番危険なのは報告が遅れること

ミスはしない方がいいです。
でも、人間が働く以上、完全にゼロにはできません。

管理側から見て困るのは、ミスそのものより、隠されたり報告が遅れたりすることです。
早く分かれば、反対側の車を止める、作業を中断する、責任者を現場へ向かわせるなどの対応ができます。

きれいな報告を作る必要はありません。
多少言葉が足りなくても、まず危険を伝えた方がいいです。

起きたこと最初にすること
車両突破反対側の警備員や作業員へ、すぐ無線で知らせる
交通事故救護、二次事故防止、警察・救急への連絡
警備員へのクレーム言い争わず内容を聞き、責任者へ共有する
鍵の紛失隠さず上司やセンターへ報告する
軽い業務ミス何が起きたかを早めに報告する
ホンネちゃん

完璧な報告を考えている間に、
反対側から車が来たら遅いのさ。

警備員は一度のミスで解雇される?

少なくとも私の会社では、通常のミスを一度しただけで、すぐ解雇するわけではありません。

まず事実を確認し、基本的には始末書の提出と再教育を行います。

ただし、重大事故、故意の隠蔽、同じミスの繰り返しなどがあれば、配置変更や現場から外す対応、雇用を続けるかどうかの判断につながることもあります。

会社がミスを理由に自由に解雇できるわけでもありません。
ミスの内容や損害、故意に隠したか、今後改善できるかなどを見ながら判断されます。

警備員の誘導ミスで事故が起きたら誰が責任を負う?

警備員は、警察官と同じ強制力を持って交通整理をしているわけではありません。
工事現場や駐車場の安全を守るために停止や進行を案内し、運転手へ協力してもらう立場です。

一方、運転手にも、周囲を確認しながら安全に運転する義務があります。

誘導事故が起きた場合は、次のような点を見ながら責任が判断されます。

  • 警備員がどのような合図を出したか
  • 合図を出した位置やタイミングは適切だったか
  • 運転手が減速や安全確認をしていたか
  • 相方との無線連絡に問題がなかったか
  • 警備員の人数や配置に無理がなかったか
  • 工事現場側の安全対策は十分だったか
  • 映像や目撃証言に何が残っているか

会社内での対応

会社内では、始末書、再教育、配置変更、現場から外すなどの対応があります。
どこまでの対応になるかは、事故の内容や本人の行動によって変わります。

民事上の責任

人がケガをした、車や物が壊れたなどの損害が出た場合は、損害賠償の話になることがあります。

その際は、警備員本人だけでなく、警備会社の責任が問題になる場合もあります。

刑事上の責任

仕事で必要な注意を怠り、その結果、人をケガさせたり死亡させたりした場合は、刑事責任が問題になることもあります。

ただし、事故が起きたら必ず警備員が処罰されるという意味ではありません。
実際の責任は、事故の状況によって個別に判断されます。

重大事故では、警察が事故の状況を調べ、保険会社が損害や補償について確認します。
責任を巡って争いになれば、弁護士への相談や裁判所の判断が必要になることもあります。

警備員の誘導ミスと車両突破は同じではない

止めるべき車へ誤って進行合図を出した。
相方から「まだ流さないで」と連絡があったのに、車を進めた。

このような場合は、警備員の誘導ミスが疑われます。

明確な停止合図を出していたのに進入された場合は、車両突破の可能性があります。
ただし、警備員の証言だけで決めず、合図の位置やタイミング、映像、無線内容まで確認します。

事故やクレームの後、警備会社はどう動く?

私の会社では、事故や大きなクレームが起きると、現場、内勤の管理職、管制が同時に動きます。

現場では救護と二次事故防止を優先する

事故が起きたら、現場の連絡手順に従い、その場で対応できる人が警察や救急へ連絡します。

誰が通報するかを確認している間に、対応が遅れる方が危険です。
負傷者がいれば救護し、後続車や歩行者が巻き込まれないように二次事故を防ぎます。

内勤の管理職が現場へ向かう

内勤の管理職は現場へ向かい、事故処理やクレーム処理を行います。

隊員の話だけで決めるのではなく、契約先と隊員の双方から、何が起きたのかを確認します。

管制が代わりの警備員を探す

元の警備員が勤務を続けられない場合は、管制が交代できる警備員を探します。

現場で事故対応を進めながら、管理職が聞き取りを行い、管制が現場の穴を埋める。
それぞれが役割を分けて動きます。

私の会社では原因を確認して再教育する

再教育で大切なのは、本人を叱って終わりにしないことです。

  • 本人の確認不足だったのか
  • 無線連絡に問題があったのか
  • 一人では対応できない人数配置だったのか

原因を整理しないまま叱るだけでは、同じミスが起きるかもしれません。
次は何を変えるのかまで決めて、初めて再発防止になると思っています。

停止合図が伝わらない時は注意を促し、突破されたら即無線

交通誘導では、教科書どおりの基本動作を覚えることが出発点です。

ただし、教科書どおりの姿勢を作ったことと、運転手へ停止の意思が伝わったことは別なんですよね。

道路の歩道側に立って赤旗を水平に出しても、運転手からは旗が小さく見えたり、停止なのか注意喚起なのか分かりにくかったりします。

停止合図を出した後は、運転手がこちらを見ているか、減速しているか、実際に止まったかまで確認します。

退避できる位置と車両との距離を保ち、旗や誘導灯を大きく使って停止を伝えます。
車の正面へ立ち、自分の体で止めようとしてはいけません。

運転手がこちらを見ず、減速もしない時は、現場のルールに従って警笛や誘導灯で注意を向けます。

それでも車両が突破したら、車種やナンバーを完璧に整理する前に、反対側の警備員や作業員へ伝えます。

「車両突破、そちらへ向かっています」

まずこの一言を無線で飛ばし、反対側の車両や作業を止めてもらった方が安全です。
詳しい状況は、その後に補足すれば大丈夫です。

ホンネちゃん

停止合図を出しただけでは、
まだ車を止めたことにはならないってワケ。

停止・進行の基本動作や片側交互通行の流れは、以下の記事で図解しています。

交通誘導のやり方|図解で学ぶ基本と「止める・伝える」の実践

通行止めでは説明ミスがクレームにつながる

警備員のミスは、車をぶつけるような事故だけではありません。
通行止めでは、曖昧な案内が警備員へのクレームにつながります。

  • 目的地まで行けるのか分からない
  • どこから先が通れないのか説明できない
  • 迂回路を知らないまま案内する
  • 確認せずに車を通してしまう

車を通した後で進めないことが分かると、規制内から戻ってきた運転手に「なぜ通したのか」と言われます。

分からない時は、その場しのぎで答えなくて大丈夫です。
工事責任者や隊長へ確認してから案内した方が安全です。

実際にあった警備員のミスとヒヤリハット

経験者でも一点集中すると周囲が見えなくなる

私が大規模イベントの駐車場で班長をしていた時、統括責任者から緊迫した無線が入りました。

「こっちは人が死にかけているんだ!今すぐ走ってこい!」

急いで向かうと、アヒル口をした統括責任者が、誘導へ夢中になって車道へ出てしまい、トラックの側面へ接触したと話しました。

さらに誘導灯を落とし、自分で踏んで壊していました。
大きなケガはありませんでしたが、少しずれていれば重大事故です。

統括責任者は、本来なら現場全体を見る役目です。
経験がある人でも、目の前の一台へ集中しすぎると、自分の安全や本来の役割が見えなくなります。

基本の結着を省いて鍵を紛失した

機械警備では、契約先から多くの鍵を預かります。
私がいた会社では、一人で数百本の鍵を管理することもありました。

鍵はストラップへ結着し、ベルトに付けたキーバッグへ入れるのが基本です。

ところが、その基本を守らず、鍵を紛失した隊員がいました。
大勢の人員が地面へ這いつくばって探し、最終的には見つかりました。

見つかったから問題なし、とはなりません。
契約先から預かった鍵を紛失すれば、隊員だけでなく、警備会社の管理体制まで疑われます。

小さな窓割れを見逃さなかった

機械警備で侵入警報を受け、現場へ向かった時のことです。

外から見て、すぐ分かるような大きな破壊はありませんでした。
それでも窓や出入口を一つずつ確認すると、小さな窓割れを見つけました。

さらに調べると、そこから鍵を開けて侵入された形跡があり、本当に泥棒が入っていたことが分かりました。

「今回も誤報だろう」と外周確認を省いていたら、見逃していたかもしれません。
特別な才能より、決められた確認を省かないことが大事なんですよね。

ミスは警備員本人だけでなく、人数配置や教育でも起きる

事故が起きると、その場に立っていた警備員だけが責められやすいです。

本人の確認不足が原因になることもありますが、管理側から見ると、教育不足や無理な人数配置が原因になっている現場もあります。

一人で片側交互通行と作業車誘導をしていた警備員

以前、一人で片側交互通行をしながら、作業車両の誘導まで行っている警備員を見かけました。

最初は「一人で全部できて優秀だな」と思いました。
でも、よく考えると危ない配置です。

一般車、作業車、歩行者、自転車、工事の進み方を、一人ですべて見なければなりません。

その隊員が上手だったから成立していただけで、本来なら二人から三人必要な現場だった可能性があります。

本人がどれだけ気をつけても、一人では防ぎきれないミスもあります。
何人必要な現場を何人で回していたのかまで見ないと、本当の再発防止にはなりません。

教育不足や無理な配置など、危ない警備会社の特徴は以下の記事で解説しています。

危ない警備会社の見分け方|無茶な連勤・教育なし・仕事が安定しない会社に注意

警備員がミスする原因と防ぎ方

ミスの原因危険な状態防ぎ方
慣れ鍵の結着や目視確認を省く決められた確認手順を崩さない
一点集中周囲の車や歩行者が見えなくなる定期的に視線を切り替える
無線の聞き間違い両側から車を流してしまう分からなければ聞き直す
自己判断誤案内やクレームにつながる隊長や現場責任者へ確認する
無理な配置一人では複数の動線を見切れない早めに応援や配置変更を求める

聞き直すのが恥ずかしい。
車を待たせるのが申し訳ない。
何度も質問すると怒られそう。

そう感じることもあると思います。
でも、分かったふりをして事故を起こすより、もう一度確認した方がいいです。

一人では見切れない、相方と連携が合わない、クレームが大きくなりそう。
そんな時は、事故になる前に隊長、責任者、管制へ知らせてください。

ミスが怖いなら警備会社の教育とフォローを見る

警備員のミスを減らすには、本人の注意だけでなく、警備会社の教育や現場管理も関係します。

  • 新任教育後も現場で指導してくれる
  • 分からないことを隊長や管制へ聞きやすい
  • 事故やクレーム時に管理職が対応する
  • 現場に必要な人数を配置している
  • 始末書を書かせるだけでなく再教育を行う

ほとんど教育せず現場へ送り、事故が起きたら隊員一人へ責任を押しつける会社では、安心して働きにくいです。

警備会社を選ぶ時に、求人票や面接で確認しておきたいポイントは以下の記事にまとめています。

警備会社の選び方|求人票・現場・面接で見るべきポイントを現役管理側が解説

警備の仕事が合わないのではなく、今の会社の教育や配置に問題があるだけかもしれません。
退職を決める前に、これまでの経験や希望条件を整理してみる方法もあります。

警備を続けるか迷っている人へ
今の経験と希望条件から、これからの方向を整理する

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まとめ|ミスを隠さず、早く知らせる人が信頼される

一度のミスで、すぐ解雇されるとは限りません。
誘導事故の責任も、現場の状況ごとに判断されます。

管理側から見て信頼できるのは、失敗を隠して自分を守る人ではありません。
異変が起きた時にすぐ周囲へ知らせ、同じミスを繰り返さない人です。

今の会社では仕事内容や配置に不安がある。
そんな人は、同じ警備経験を活かせる会社の募集条件も確認してみてください。

すぐ応募しなくても、勤務地、日当、資格手当、担当する仕事を見比べれば、今の会社に残るか判断する材料になります。

警備会社の仕事内容と募集条件を比較する
勤務地・日当・資格手当・仕事内容を確認する

参考資料:
e-Gov法令検索「警備業法」
e-Gov法令検索「道路交通法」
e-Gov法令検索「労働契約法」
e-Gov法令検索「民法」
e-Gov法令検索「刑法」

空調服を着られない警備員へ

真夏の警備は、本当に過酷です。
炎天下やアスファルトの照り返しの中でも、警備員は決められた制服を着て仕事をしなければなりません。

最近は空調服を支給する警備会社も増えてきました。
ただ、会社や現場によっては、空調服タイプの制服が用意されていなかったり、自由に着用できなかったりすることもあります。

「制服を変えられない警備員でも、何かできる暑さ対策はないか」

私もずっと考えた結果、たどり着いたのが、薄手のペルチェベストを制服の下に着る方法です。

インナーとして着用できる薄手のタイプなら、外から見える警備制服を大きく変えずに、冷却プレートで身体を冷やせます。
商品によっては、空調服と組み合わせて使いやすいものもあります。

もちろん、ペルチェベストを着れば熱中症にならないわけではありません。
水分や塩分の補給、こまめな休憩、体調が悪いときの早めの申告も必要です。

それでも、毎年気合いだけで猛暑に耐えるより、身体を冷やせる装備をひとつ持っておく方が安心です。

空調服を着られない現場で働いている人は、制服の下から冷やすという方法も一度チェックしてみてください。

今年の夏も、無理だけはしないでくださいね。ご安全に!

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この記事を書いた人

現役警備員として働きながら、警備業界のリアルを発信しています。
交通誘導・施設・雑踏警備を経験し、現在は管理職として現場と人材育成に携わっています。

保有資格:
・警備員指導教育責任者(1号・2号)
・交通誘導警備業務2級
・施設警備業務2級
・雑踏警備業務2級
・列車見張り(列車防護員)
・踏切監視員

これから警備員を目指す方や、現役で悩んでいる方に向けて「きついこともリアルに」分かりやすく発信していきます。

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