「自己破産したら、警備員にはなれない?」
「前科や執行猶予があると、一生働けない?」
警備員へ応募する前に、欠格事由が気になっている人もいると思います。
結論から言うと、警備員になれない条件は、警備業法で8つに分けて定められています。
ただし、自己破産や前科が一度でもあれば、一生警備員になれないわけではありません。
欠格事由には、一定期間が過ぎれば該当しなくなるものや、現在の状態によって判断されるものがあります。
この記事では、警備員になれない8つの条件と、自己破産・前科・罰金・執行猶予の扱いを、管理側の経験も交えて整理します。
警備員になれない8つの条件
警備業法第14条では、18歳未満の人と、同法第3条第1号から第7号までに該当する人は、警備員になれないと定められています。
警備会社も、該当する人を警備業務へ従事させることはできません。
| 警備員になれない人 | 主な内容 |
|---|---|
| 18歳未満の人 | 高校生でも、18歳の誕生日を迎えるまでは警備員になれない |
| 破産して復権を得ていない人 | 破産手続開始の決定を受け、まだ復権していない状態 |
| 一定の刑を受けて5年を経過していない人 | 拘禁刑以上の刑、または警備業法違反による罰金刑が対象 |
| 最近5年間に重大な不正行為をした人 | 警備業法違反や、警備業務に関する重大な法令違反など |
| 暴力的不法行為を行うおそれがある人 | 暴力団員など、集団的・常習的な違法行為を行うおそれがあると認められる人 |
| 暴力団関係の命令・指示を受けて3年以内の人 | 暴対法に基づく一定の命令や指示を受けた人 |
| アルコールや薬物の中毒者 | アルコール、麻薬、大麻、あへん、覚醒剤の中毒者 |
| 心身の状態により適正な警備業務ができない人 | 病名や障害の有無だけでなく、警備業務を適正に行えるかで判断される |
欠格事由の原文は、e-Gov法令検索「警備業法」の第3条と第14条で確認できます。
条文だけを見ると、自分が該当するのか分かりにくい項目もあります。
ここからは、特に誤解されやすい自己破産、前科、罰金、執行猶予について詳しく見ていきます。
なお、欠格事由に該当しないことと、必ず警備会社へ採用されることは別です。
ここでは、法律上、警備員として働ける状態かどうかを説明します。
自己破産をしたら一生警備員になれない?
自己破産をしただけで、一生警備員になれないわけではありません。
欠格事由に該当するのは、破産手続開始の決定を受け、まだ復権を得ていない期間です。
免責許可の決定が確定するなどして復権すれば、この欠格事由には該当しなくなります。
自己破産した過去があること自体を理由に、永久に警備員になれない制度ではありません。
また、警備業法が対象にしているのは「破産手続開始の決定を受けて復権を得ていない人」です。
任意整理や個人再生をしたというだけで、この欠格事由へ自動的に該当するわけではありません。
ホンネちゃん自己破産したら一生警備員になれない、は言いすぎなワケ。
大事なのは、現在復権しているかだよ。
前科がある人は警備員になれない?
前科が一度でもあれば、一生警備員になれないわけではありません。
現行の警備業法では、拘禁刑以上の刑に処せられ、刑の執行を終えるなどした日から5年を経過していない人が欠格事由に該当します。
逮捕されたことと、拘禁刑以上の有罪判決を受けたことも同じではありません。
欠格事由に該当するか確認するには、何の罪で逮捕されたかだけでなく、最終的に受けた処分や刑の内容を見る必要があります。
2025年6月1日に、懲役と禁錮は拘禁刑へ一本化されました。
古い記事や過去の出来事では「懲役」「禁錮以上」と書かれていることがありますが、現在の条文では「拘禁刑以上」と表記されています。
拘禁刑が導入された経緯は、法務省「拘禁刑下の矯正処遇等について」で確認できます。
刑の内容や、刑の執行を終えた日などによって扱いは変わります。
判決を受けた人は、判決書などで刑の種類と時期を確認してください。
自分で判断できない場合は、事情を隠したまま応募するのではなく、応募先の警備会社や法律の専門家へ相談した方が安全です。
罰金刑を受けたら警備員になれない?
一般的な罰金刑を受けた人が、すべて自動的に5年間警備員になれないわけではありません。
警備業法第3条第2号で、拘禁刑以上の刑と並んで明記されている罰金刑は、警備業法の規定に違反して受けた罰金刑です。
ただし、警備業務に関する重大な不正行為など、別の欠格事由に該当する可能性はあります。
「罰金だから必ず大丈夫」「罰金だから必ず無理」と、刑の名前だけで決めつけないでください。
執行猶予中は警備員になれる?
拘禁刑以上の刑について執行猶予が付いていても、執行猶予期間中は欠格事由に該当します。
実際に刑務所へ入っていないから警備員として働ける、という扱いではありません。
一方、執行猶予を取り消されることなく期間が満了した場合、この刑罰に関する欠格事由は適用されなくなります。
執行猶予期間が終わったあと、さらにそこから5年間待つという扱いではありません。
ただし、重大な不正行為など、別の欠格事由にも該当している場合は話が変わります。
個別の事情がある人は、自己判断だけで応募せず、事前に確認してください。
執行猶予期間が経過した場合の扱いは、警察庁「警備業法等の解釈運用基準」に示されています。
病気や障害があるだけで警備員になれないわけではない
病気や障害がある人を、一律に警備員になれないとする規定ではありません。
判断されるのは、心身の状態によって警備業務を適正に行えないかどうかです。
警察庁の解釈運用基準でも、精神疾患があるという理由だけで一律に欠格とせず、医師の診断書などから業務を適正に遂行できるか判断するとされています。
たとえば、軽度のうつ病と診断されていても、適正に警備業務を行えると医師の診断書などから認められる人は、欠格事由に該当しません。
通院歴や病名だけを見て、自分は絶対に警備員になれないと思い込む必要はありません。
ただし、警備員は周囲の状況を認知し、判断し、必要な意思疎通を行う仕事なので、現在の状態は正直に伝えてください。
心身の状態に関する具体的な判断方法も、警察庁「警備業法等の解釈運用基準」で確認できます。
警備会社は欠格事由をどう確認する?
私の会社では、採用面接の時に、欠格事由へ該当していないかを口頭で確認しています。
採用後は、警備員として働くために必要な書類も提出してもらいます。
自己破産に関する項目は、市区町村が発行する身分証明書で確認します。
ここでいう身分証明書は、運転免許証やマイナンバーカードではなく、本籍地の市区町村で取得する書類です。
これまで、面接の時点で欠格事由が判明した経験はありません。
ただし、警備会社には欠格事由へ該当する人を警備業務へ就かせない責任があるため、曖昧に答えたり、意図的に隠したりしない方がいいです。
採用時に必要な書類や、身分証明書の取得方法を知りたい人は、「警備員の書類はめんどくさい!必要書類と身分証明書を現役が整理」で詳しく解説しています。
在職中に欠格事由へ該当し、退職した警備員もいる
欠格事由は、採用される時だけ確認すれば終わりではありません。
入社時には問題がなくても、働いている途中で欠格事由へ該当することがあります。
交通事故で刑を受け、警備員を続けられなくなった例
私が勤務する会社では、在職中の警備員が、高齢者を車ではねる交通事故を起こしたことがあります。
その後、当時の制度で禁錮以上の刑に処せられ、欠格事由に該当しました。
現在の条文でいう「拘禁刑以上」に当たるケースです。
その人は警備員として勤務を続けられなくなり、結果的に退職しました。
欠格事由というと、故意に犯罪を起こした人だけの話に見えるかもしれません。
しかし、交通事故でも、受けた刑の内容によっては警備員を続けられなくなります。
飲酒運転を繰り返し、執行猶予付きの刑を受けた例
別の警備員は、バイクの飲酒運転で捕まり、運転免許を取り消されました。
その後、免許取消し中にもかかわらず再びバイクを運転し、用水路へ落ちる単独事故を起こしています。
その事故で、再び飲酒運転も発覚しました。
詳しい判決内容までは覚えていませんが、執行猶予付きの刑を受け、欠格事由に該当して警備員を続けられなくなりました。
会社が事情を知っても、本人が反省しているからという理由だけで、そのまま警備業務へ就かせることはできません。
欠格事由に該当すれば、在職中でも警備員としての勤務を続けられなくなります。



面接を通過したら一生大丈夫、ではないワケ。
仕事外の行動で、警備員を続けられなくなることもあるよ。
18歳未満なら、働ける別の仕事を探して待つ
16歳・17歳の人は、ほかの欠格事由に問題がなくても、年齢だけで警備員にはなれません。
ただし、18歳になるまで何もせず待つ必要はなく、今の年齢で応募できる別の仕事を経験する方法があります。
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求人ごとに年齢などの応募条件は異なりますが、18歳になったあと、あらためて警備員へ応募することもできます。
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18歳になってから警備員へ応募する流れは、「警備員になるには?未経験から応募・面接・新任教育までの流れ」を参考にしてください。
警備員を続けられない時は、次の仕事を相談しながら整理する
現在、欠格事由に該当して警備員を続けられないとしても、ほかの仕事までできなくなるわけではありません。
ただ、急に警備員を離れることになれば、これまでの経験をどの仕事へ活かせばよいか分からない人もいると思います。
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警備員を続けるなら、日々の生活も真面目にする
警備員は、勤務中だけ真面目ならいい仕事ではありません。
仕事が終わったあとの行動によって、警備員を続けられなくなることもあります。
飲酒運転はもちろん、自分で自分の仕事を失うような行動は避けなければなりません。
当たり前の話ですが、実際に在職中の社員が欠格事由へ該当し、退職したケースを見ていると、この当たり前が一番大事だと感じます。
まとめ|欠格事由は現在の状態と期間を確認する
自己破産や前科があるという言葉だけで、一生警備員になれないと決めつける必要はありません。
現在も欠格事由に該当しているのか、復権しているのか、刑の執行から必要な期間を経過しているのかを確認し、不明な場合は応募前に警備会社へ正直に相談してください。









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