警備業界は、かなり深刻な人手不足です。
私は警備会社で採用・教育・人員配置に関わっていますが、30代が入社すると「若い人が来た」と感じるくらいです。20代なら、さらに珍しくなります。
警備員が集まりにくい理由は、単に「人気がないから」ではありません。
若い働き手が少ない中で、暑さ・寒さ・夜勤のある現場仕事が選ばれにくく、待遇や仕事のイメージ、入社後の定着まで重なっていると私は考えています。
警備業の人手不足は数字にも出ている
人手不足は、現場の感覚だけではありません。
警察庁が掲載している警備業界の自主行動計画では、2025年6月の調査で約86%の警備会社が人員不足と回答しています。
同資料では、2024年度平均の有効求人倍率について、警備員が含まれる保安職業従事者は6.56倍。全職業の1.14倍を大きく上回っています。
「募集はあるのに、人が足りない」という状態が数字にも表れています。
さらに、警察庁「令和7年における警備業の概況」を見ると、2025年末の警備員の年齢構成はかなり上に偏っています。
| 年齢 | 構成比 |
|---|---|
| 30歳未満 | 10.9% |
| 30〜39歳 | 8.9% |
| 40〜49歳 | 13.1% |
| 50〜59歳 | 19.8% |
| 60歳以上 | 47.3% |
30代以下を合わせても19.8%。一方で60歳以上は47.3%です。
高齢の警備員が悪いのではなく、若い世代が十分に入ってきていないことが年齢構成からも見えてきます。
私の会社では30代が入れば「若手が来た」と感じる
全国統計でも若い警備員は少ないですが、私が実際に採用している現場では、もっと極端に感じます。
30代の応募者が来れば「お、若い人が来た」と思うレベルです。
20代が入れば、かなり珍しい。
会社によって年齢構成は違いますが、少なくとも私の周りでは、30代を普通に「若手」として見る感覚があります。
のりさん30代で若手扱い。年齢感覚はだいぶ独特なのさ。
しかも、警備は仕事がないから人が余っている業界ではありません。
現場はある。配置したい。でも人が足りない。管制をしていると、このズレを日常的に感じます。
若い人にとって「わざわざ警備を選ぶ理由」が弱い
採用側から見て一番大きいのは、若い人にとって警備を選ぶハードルが高いことだと思っています。
特に交通誘導や雑踏警備では、真夏も真冬も外に立ちます。雨の日もあり、夜勤や早朝勤務、現場ごとの移動もあります。
私自身、夏は40℃近い環境、冬の夜勤では氷点下で勤務した経験があります。
- 暑さ・寒さ・雨の影響を受ける
- 立ち仕事が多い
- 夜勤や早朝勤務がある
- 現場によって勤務場所が変わる
- トイレや休憩場所に困る現場もある
もちろん、施設警備のように屋内中心の仕事もあります。
ただ、同じくらいの給料で空調の効いた仕事や、勤務場所が固定された仕事も選べるなら、あえて屋外の警備を選ばない人がいても不思議ではありません。
厚生労働省の2026年の若年層調査でも、約7割が会社選びで仕事とプライベートの両立を意識しています。
「若者が働きたくない」というより、働き方を選ぶようになったと考えた方が、私の採用現場の感覚には近いです。
交通誘導の実際のきつさは、交通誘導警備はきつい?で詳しく書いています。
若手不足は警備だけではない。それでも警備は厳しい
以前、鉄道関係の調査・検査会社の人と話したときにも、「若い人が少ない」という話が出ました。
警備より専門職のイメージが強い仕事でも、若手確保に苦労していると聞いて驚いたのを覚えています。
実際、国土交通省の2026年9月公表資料では、建設技能者のうち29歳以下は約12%、60歳以上は約4分の1です。
屋外や現場で働く業界全体が、若手確保に苦労しています。
それでも警備員は、60歳以上が47.3%です。
私が見聞きしてきた範囲でも、現場仕事の若手不足の中で、警備はさらに年齢層が上がっていると感じます。
警備には待遇と仕事のイメージという問題もある
外仕事だけが原因なら、警備だけここまで人手不足になる説明にはなりません。
警備員には今でも「立っているだけ」「誰でもできる」「高齢者の仕事」といったイメージがあります。
その一方で、交通誘導では車・歩行者・工事車両を同時に見て判断する場面があり、施設警備や機械警備では異常時の対応も求められます。
警察庁が掲載する自主行動計画でも、人材確保のために給与・処遇の改善、長時間労働の是正、休憩時間の確保、労働環境の改善、警備業のイメージアップなどが挙げられています。
「人が来ない」だけではなく、選ばれる仕事に変えていく必要があるということです。
採用しても、最初の配置で辞められたら人手不足は終わらない
人手不足の会社ほど「とにかく今日の穴を埋めたい」となりがちです。
でも、新人を人数としてしか見なくなると、せっかく採用しても残りません。
私は人員配置にも関わっていますが、新人をどの現場へ出すかはかなり重要だと思っています。
最初から難しい現場へ放り込むのか、教えられる人と組ませるのか。本人の希望する勤務と配置が合っているのか。同じ会社でも、最初の現場で印象は大きく変わります。
採用数だけ増やしても、定着しなければ人手不足はずっと続きます。
募集、教育、配置までつながって初めて人材確保だと私は考えています。
人員配置をする側の仕事は、警備会社の管制とは?で詳しくまとめています。
人手不足は、これから働く人には会社を選べる材料になる
警備会社にとって人手不足は深刻です。
一方、これから警備員になる人にとっては、求人を比較できる余地があるとも言えます。
ただし、人手不足の会社=働きやすい会社ではありません。
仕事が増えて人が足りない会社もあれば、人が辞め続けているから常に募集している会社もあります。
見るべきなのは「人手不足かどうか」より、給料、日当保証、教育、休憩、現場の種類、希望を聞いて配置してくれるかです。
会社を比べるポイントは警備会社の選び方、実際に求人を探すときの確認項目は警備員求人の探し方にまとめています。
30代でも若手になるほど人が足りない業界だからこそ、応募する側まで「雇ってもらえるだけでありがたい」と思う必要はありません。
長く働くなら、入る会社は選んだ方がいいです。
最後に、仕事だけでなく
「彼女もほしい」と思っている方へ。
警備員は「モテない」より「出会いがない」?
私は警備員になってから、2回結婚しています。
でも、この仕事に就いてから新しく知り合った女性は、20年近くでたった1人。
その1人とは、アパレル時代の友人からの紹介。
警備業に関係しない出会いなんですよね。
私が恋愛で壁に感じたのは、
モテるかどうか以前に、そもそも出会いがない
ということです。



みんな「良い出会いがあれば」
って言うけどさ。
本当に出会いが無さすぎて
半分諦めちゃってるよね。
「彼女はほしい。でも、何から始めたらいい?」
そんな方に向けて、出会いの増やし方や身だしなみなど、私の経験を交えて紹介しています。









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