警備員を1ヶ月で辞めてもいい?早期退職と短期バイトの違い

「警備員になってまだ1ヶ月。でも、もう辞めたい」
「最初から1ヶ月だけ働くつもりでも、警備員になれる?」

この2つは似ているようで、採用する側から見るとまったく違う話です。

私は警備会社で採用・新人教育・人員配置に関わっていますが、入社してみて仕事が合わなかったなら、1ヶ月で辞めてもいいと思っています。もちろん、できれば辞めてほしくはありません。

一方、最初から短期間だけ働くつもりなら、採用の段階で話が変わります。警備業には新任教育があるためです。

この記事では、1ヶ月で辞める人への管理職の本音と、短期バイトとして警備員を始めたい人が知っておくべき事情をお話しします。

目次

警備員は1ヶ月で辞めてもいい?合わなかったなら構いません

実際に働いてみて合わなかったなら、無理に続けなくてもいい。 これが私の考えです。

警備員といっても、仕事はさまざま。炎天下の交通誘導がつらい人もいれば、施設警備で長時間同じ場所にいるのが苦手な人もいます。人間関係や勤務時間が、入社前の想像と違うことだってあるでしょう。

採用した立場としては残念ですが、向き不向きは、働いてみないと分からない部分があります。

ただ、辞めたい理由が「いま配置されている現場だけ」なら、別の業務や配置に変えることで解決する可能性もあります。続けたい気持ちが少しでもあるなら、先に相談してみてもいいと思います。

もちろん、危険な現場やハラスメント、体調に深刻な影響が出ている場合まで我慢する必要はありません。

早期退職と短期バイトは、そもそも別の話

同じ「1ヶ月で仕事が終わる」でも、入社時の前提が違います。

働き方入社時の前提採用する側の受け止め方
入社後1ヶ月で早期退職続けるつもりだったが、働いてみて合わなかった残念だけど仕方ないこともある
最初から1ヶ月の短期バイト期間を伝えたうえで、会社と合意して働くその期間の仕事があれば採用を検討できる
短期希望を伝えずに入社会社は継続勤務を想定していた教育や配置の計画がずれてしまう

私は、短期で働きたいこと自体が悪いとは思いません。問題は、会社が何を前提に採用したかです。

「1ヶ月しか働けません」と最初に伝えてくれれば、会社もその条件で仕事があるか判断できます。逆に、継続勤務を想定して教育と配置を進めたあとで「実は最初から1ヶ月のつもりでした」と言われると、さすがに困ります。

警備員の短期バイトが難しい理由は、新任教育にある

警備員は、採用したその日に誰でも現場へ出せる仕事ではありません。

警備業法施行規則では、一般的な未経験者が警備業務を始める前に受ける新任教育は20時間以上とされています。資格や警備経験によって、必要な時間が短くなったり免除されたりする場合もあります。

参考:e-Gov法令検索「警備業法施行規則」

私の立場では、新人を採用すると、教育担当者の日程を空け、必要な書類や装備を準備し、どの現場に配置するかまで考えます。

しかも、新任教育は会社が指示して受けさせるものであれば労働時間に当たり、賃金の支払いも必要です。つまり、1ヶ月だけの勤務でも、会社側の準備が大幅に減るわけではありません。

たとえば、1日だけ人が足りない現場があったとしても、未経験者をその日だけ突然雇って、何の教育もせず配置するわけにはいかないんです。

新任教育そのものが気になる人は、警備員の研修内容と現場に出るまでの流れでも詳しく説明しています。

ただし、イベント警備などの期間限定採用は別

一方、イベント警備など、最初から勤務期間が決まっている仕事では、その期間に合わせて人を採用することもあります。

たとえば、一定期間続くイベントなら、その期間の勤務を前提に募集・教育・配置を組めるからです。最初から短期雇用として計画されているなら、話は別。

ただし、イベント警備だから新任教育が不要になるわけではありません。必要な教育や配置条件を満たすことが前提です。

1ヶ月だけ働きたいなら、普通の長期募集へ応募してから辞めるよりも、募集時点で「期間限定」「短期」と明記された求人を探す方が、お互いに話が早いでしょう。

管理職として、基本的に辞めてほしい警備員はいません

採用する側の本音を言うと、よほどの問題がなければ、辞めてほしい警備員なんてほとんどいません。

新人なら仕事が下手でも当たり前。覚えるのが遅い人もいれば、最初は緊張して失敗する人もいます。そんなことで辞めてほしいとは思いません。

ただ、私が「辞めてくれないかな」と感じるのは、大きく分けて次の2種類です。

やるべきことをやらず、要求ばかりする人

給与や休憩、勤務条件について、正当な権利を主張するのは当然です。そこを問題だとは思いません。

困るのは、仕事のルールや自分の役割は守らないのに、要求だけがどんどん大きくなる人。

私の見てきた範囲では、そういう人に限って自分への評価が妙に高く、最後は警備業界そのものを見下すようなことを言って、わりと早く去っていく印象があります。

もちろん、全員がそうではありません。あくまで私の職場経験から感じる傾向です。

周囲の人間関係を壊してしまう人

こちらは、もっと困ります。

一人の言動が原因で現場の空気が悪くなり、ほかの警備員まで働きづらくなる。管理側としては見過ごせません。

そして、私の印象では、こういう人ほどなかなか辞めないんですよね。

仕事を覚えるのが遅い人より、周囲と一緒に働けなくなる人の方が、管理側としてはずっと悩ましい。

だから、入社1ヶ月で辞めたいと相談する人を、私はそれだけで悪い警備員だとは思いません。

入社1ヶ月で辞めるなら、手続きと現場の連絡はきちんとしよう

辞めると決めたら、まず雇用契約書や労働条件通知書を確認してください。期間の定めがない契約か、契約期間が決まっているかで、退職のルールが変わります。

期間の定めがない雇用契約なら、原則として退職の申し入れから2週間で契約は終了します。一方、期間の定めがある契約は、原則として契約期間中の退職にやむを得ない事由などの条件が関わります。会社と合意して終了する方法もあります。

参考:厚生労働省「退職、解雇、雇止めなど」

私なら、次の順番をおすすめします。

  1. 雇用契約と希望する退職日を確認する
  2. 上司や管理担当者へ、辞めたい意思を早めに伝える
  3. 最後の出勤日・給料・貸与された制服や装備品の返却方法を確認する
  4. 現場のシフトが入っているなら、無断で欠勤せず会社と調整する

警備員が一人来なければ、現場の必要人数が足りなくなることもあります。辞めるのは構いませんが、何も言わずに来なくなるのは、できれば避けてほしいところです。

直接連絡することさえ難しい状態なら、まずは安全を優先してください。無断欠勤してしまったときの対応は、警備員をバックレるとどうなる?でも整理しています。

新任教育を受けた直後でも、給料はもらえる?

会社の指示で受けた新任教育が労働時間に当たる場合、その時間の賃金は支払い対象です。「1ヶ月で辞めたから研修中の給料がゼロ」という話にはなりません。

また、「早く辞めたら罰金〇万円」といった違約金をあらかじめ定めることは、労働基準法で禁止されています。ただし、研修費などの返還を求められた場合は、契約内容や費用の性質によって判断が変わるため、一律に「絶対に払わなくていい」とは言い切れません。

参考:厚生労働省「人を雇うときのルール」

まとめ|1ヶ月で辞めてもいい。ただし、短期希望は最初に伝えよう

入社してみて合わなかったなら、1ヶ月で辞めても構いません。採用する側としては残念ですが、無理に続けることが正解とは限りません。

ただ、最初から1ヶ月だけ働きたい人は、採用前にその条件を伝えてください。 警備員には新任教育が必要なので、通常の採用と短期雇用では会社側の準備が違います。期間限定のイベント警備などなら、短期前提の募集がある場合もあります。

そして、もう辞めると決めた人に、最後にひとつだけ。

辞めるなら、次の仕事を探せる環境を整えてからの方が楽です

退職そのものは悪いことではありません。ただ、収入がなくなってから慌てて仕事を探すより、今の会社で働いているうちに、次の選択肢を持っておいた方が後で楽です。

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この記事を書いた人

中卒・約3年ほぼ無職から、運送、レディースアパレルを経て警備員へ。
現在は警備会社の管理職として、現場・管制・新人教育などに携わっています。

警備員指導教育責任者1・2号、交通・施設・雑踏警備2級などを保有。

恋愛では、結婚・離婚・再婚も経験しました。

『こんな俺でも大丈夫だったんだから、みんな大丈夫。』

そんなスタンスで、警備の仕事、中卒・低学歴の生き方、男性の恋愛・結婚を実体験ベースで発信しています。

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