「交通誘導員が4人必要なら、4人注文すればいい?」
工事の内容によります。
私の会社では、道路を掘削する工事などで、必要人数に1〜2名の交代要員を加えて注文してもらうことがあります。目安は4ポストに交代要員1名。5人で順番に休憩を回す形です。
一方、作業を止めれば保安体制も解除できる現場では、必要人数ぴったりの注文になることも多いです。夏は熱中症対策で、さらに人数を増やしてもらう場合もあります。
警備会社で管制・人員配置を担当する私が、現場ごとの違いと実際の休憩回しを説明します。
交代要員が必要かどうかは、休憩中も保安体制が必要かで変わる
交代要員は、持ち場の警備員が休む間、そのポストを引き継ぐ人です。
私が扱う現場では、おおむね次のように発注人数が変わります。
| 現場の状況 | 発注人数の傾向 | 休憩の取り方 |
|---|---|---|
| 道路を掘削する工事など | 必要人数+1〜2名 | 保安体制を維持して交代で休む |
| 作業を止めれば規制を解除できる現場 | 必要人数ちょうど | 作業を中断して全員で休める |
| 夏場の暑さが厳しい現場 | 通常より増員することも | 交代を増やして身体を冷やす |
掘削工事では、作業員が手を止めても道路の穴や規制が残ることがあります。その間も交通誘導が必要なら、警備員だけ全員で休憩するわけにはいきません。
反対に、掘削を伴わない作業では、作業を止めて安全に規制を解除できることがあります。そういう現場は、交代要員なしで注文を受けることも多いです。
判断のポイントは、休憩中も何ポスト残す必要があるか。 掘削の有無は、私の現場での分かりやすい例です。
4ポスト+交代要員1名なら、5人全員で30分ずつ休憩を回す
例えば4ポストを維持する現場なら、交代要員を含めた5人で次のように回せます。
| 時間帯(例) | 休憩する人 | 勤務する人 |
|---|---|---|
| 0〜30分 | A | B・C・D・E |
| 30〜60分 | B | A・C・D・E |
| 60〜90分 | C | A・B・D・E |
| 90〜120分 | D | A・B・C・E |
| 120〜150分 | E | A・B・C・D |
150分で5人が30分ずつ休み、その間も4ポストを維持できます。 交代要員のEも最後に休憩します。交代要員だけが休まず働くわけではありません。
もちろん、これは休憩回しの一例。実際は持ち場までの移動時間や交代できる警備員の資格も考えて順番を組みます。
国土交通省の積算資料にも「4人+交替要員1人」の例がある
国土交通省の2018年度の積算基準改定資料にも、休憩中に交通誘導が必要な現場として、通常配置4人+交替要員1人=5.0人/日の例が載っています。
従来の計上例は4.8人/日でしたが、交替要員を含む実際の配置人数を計上する方法へ改められました。私の現場での「4ポストに1人」という感覚とも合っています。
これは公共工事の積算例で、すべての現場に交代要員を1名追加する決まりではありません。
参考:国土交通省「平成30年度 土木工事・業務の積算基準等の改定」
発注金額の考え方は、交通誘導員の単価・警備料金・日当の違いでも解説しています。
夏場は熱中症対策で交代要員を増やしてもらうこともある
真夏は、通常の人数では休憩回しが追いつかないことがあります。
私の会社でも、暑さが厳しい現場では交代要員を多めに注文してもらうことがあります。持ち場を離れて身体を冷やす時間を確保するためです。
2025年6月からは、一定の暑熱環境での作業について、熱中症の報告体制や重篤化を防ぐ手順の整備・周知が義務付けられました。2026年3月には厚生労働省が新たな熱中症防止ガイドラインを策定しています。
人数を増やすだけで済ませず、暑さや体調によっては作業の中断も必要です。
参考:厚生労働省「職場における熱中症防止対策のためのガイドライン」
現場での対処法は警備員の熱中症対策にまとめています。
交代要員がいない現場でも、休憩は必要
交代要員を注文していないからといって、休憩を削っていいわけではありません。
労働基準法では、労働時間が6時間を超えると45分以上、8時間を超えると60分以上の休憩が必要です。休憩中もポストに立って対応を求められるなら、それは休憩とはいえません。
先ほどの「30分交代」はあくまで1回分の例です。勤務時間に応じて必要な休憩を確保し、交代制で休ませる場合は一斉付与の例外や労使協定の要否も会社側で確認します。
発注前に、休憩回しまで考えて人数を決める
管制側で確認したいのは、作業を止めても残すポスト数、休憩場所までの距離、交代に必要な資格者です。夏なら、暑さに合わせた交代の頻度も加わります。
警備員の必要人数だけ決めて休憩回しを後回しにすると、当日になって誰も休めなくなります。
ホンネちゃん「休憩は適当に回して」って簡単に言うよね。警備員、分身の術は未習得なのさ。
まとめ|交代要員は「休憩中も残すポスト」で考える
私の現場では、4ポストに交代要員1名が目安のひとつ。掘削工事などで保安体制を維持するなら増員し、作業を止めて安全に規制を解除できるなら必要人数だけで回すこともあります。
夏場は熱中症対策も考慮します。大切なのは、発注の時点で「誰が休んでいる間、誰が持ち場に立つのか」まで決めておくことです。



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