「警備員がやってはいけないことって何?」
「新人のうちに、これだけは避けた方がいい行動を知りたい」
「ミスをしたら、一発で現場を外される?」
警備員は安全に関わる仕事なので、現場には守るべき手順やルールがあります。
ただし、この記事で紹介する9項目すべてが、警備業法にそのまま「禁止事項」として並んでいるわけではありません。
現場で事故につながる行動と、管理側から信用を失う行動を分けて考えることが大切です。
私は交通誘導、施設警備、機械警備、雑踏警備などを経験し、現在は管制・配置・新人教育にも関わっています。
長く見てきて思うのは、下手な新人より「分からないのに勝手にやる人」「ミスを隠す人」「危ないと分かっていて直さない人」の方がはるかに怖いということです。
実際に現場で起きた話も交えながら、警備員がやってはいけないことを9つに絞って解説します。
警備員がやってはいけないこと9選|管理側から見るとこうなる
先に一覧でまとめます。
新人だから技術が足りないことと、安全や信用を軽く扱うことは別物です。
| やってはいけないこと | 管理側から見た問題 |
|---|---|
| 分からないまま勝手に判断する | 事故・誤案内・連携崩れにつながる |
| ミス・事故・異常を隠す | 初動対応が遅れ、被害を広げやすい |
| 無断で持ち場や配置を変える | 配置全体の安全が崩れる |
| 安全装備や基本手順を軽く見る | 「基本を守れない人」と判断される |
| 居眠り・私用スマホをする | 警戒が止まり、契約先の信用も落とす |
| 怒鳴られて言い返す | その場のトラブルを会社のクレームへ育てる |
| 遅刻を繰り返す | 交代・現場開始・他隊員へ連鎖する |
| 無断欠勤・バックレをする | 管制が現場と安否確認を同時処理することになる |
| 新人や弱い立場の人へ危険なやり方を強要する | 人間関係ではなく安全上の問題になる |
警備業法では、警備業者に警備員への教育・指導・監督が求められています。
つまり、警備は「本人のセンスで好きにやる仕事」ではありません。
教わった基本を守り、分からないことを確認し、異常があれば報告する。この土台が崩れると、どれだけ経験年数が長くても危ないです。
法令そのものは、e-Gov法令検索「警備業法」で確認できます。
事故につながるので、本気でやめてほしい5つ
まずは安全面です。
ここは「怒られるからやめる」ではなく、自分や周囲を危険にするからやらないという話です。
1.分からないまま勝手に判断する
新人に一番避けてほしいのは、分からないことを分かったふりして自己判断することです。
交通誘導なら、車を流すタイミング、立ち位置、相方との無線連絡。施設警備なら、予定にない来場者への対応や施設ごとのルール。
どちらも、一人の「たぶん大丈夫」が周囲を巻き込みます。
私は隊長として新人を見るとき、合図や無線が下手なこと自体はあまり気にしません。
「すみません、もう一度教えてください」と聞ける人なら教えればいいからです。
むしろ怖いのは、聞くのを恥ずかしがって、分かった顔で動く人です。
ホンネちゃん知らんのに知った顔して事故るのが、一番ダサいってワケ。
聞けば30秒で済むのにね。
交通誘導の基本は、交通誘導のやり方を解説した記事で詳しくまとめています。
2.ミス・事故・異常を隠す
管理側から見て、ミスそのものより困るのが隠されることです。
車両突破なら反対側へすぐ無線を入れられる。事故なら救護や二次事故防止へ動ける。鍵をなくしたなら、早く捜索や契約先対応を始められる。
早く報告があれば打てる手はあります。隠されるほど手遅れに近づきます。
私の会社でも、普通のミスを一度しただけで即解雇という考え方ではありません。
事実を確認し、必要なら始末書や再教育、配置の見直しをします。
ただし、故意に隠す、話を変える、人のせいにする、同じことを何度も繰り返すとなれば話は別です。
実際の事故対応や、ミスの後に会社がどう動くかは、警備員がミスするとどうなるかで詳しく書いています。
3.無断で持ち場や配置を変える
暑い、寒い、トイレへ行きたい、立ち位置が怖い。そう感じること自体は普通です。
問題なのは、誰にも言わず勝手に移動することです。
警備は一人で立っているように見えても、実際には配置全体で安全を作っています。
交通誘導なら、一人の立ち位置が変わるだけで相方から見えなくなることがあります。
施設警備でも、受付や出入口から勝手にいなくなれば、その場所に警備員を置いている意味がなくなります。
離れる必要があるなら、隊長や相方へ伝えてから。これで済む話を、勝手に動いて事故の種へ変える必要はありません。
4.安全装備や基本手順を「ちょっとくらい」で省く
私は交通誘導の教育や隊長業務をする中で、アゴ紐すらきちんと締められない人に、安全を任せたいとは思いません。
アゴ紐一本の話ではなく、「決められた基本を、面倒だから省く人なのか」を見ています。
機械警備では、もっと分かりやすいことがありました。
私がいた会社では、契約先の鍵をストラップへ結着し、ベルトのキーバッグへ入れるのが基本でした。ところが、その結着を省いた隊員が鍵を紛失。
大勢の人間が地面へ這いつくばって鍵を探すことになりました。最終的には見つかりましたが、「見つかったからセーフ」ではありません。契約先の鍵をなくせば、隊員だけでなく会社の管理体制まで疑われます。



結着30秒をサボって、大人が何人も地面を這う。
これが「ちょっとくらい」の請求書なのさ。
5.居眠り・私用スマホで警戒を止める
施設警備では、座っている時間がある現場もあります。
でも、座哨は休憩ではありません。居眠りや私用スマホで周囲を見ていなければ、侵入や異常に気づけないだけでなく、契約先や来場者からも普通に見られています。
これが怖いのは、自分一人が怒られて終わらないことです。
クレームが重なって契約そのものに影響すれば、暇つぶしのつもりで、自分たちの飯のタネを削ることになります。
交通誘導でも、スマホを見ている数秒の間に車や歩行者の状況は変わります。
事故にならなくても、管理側から信用を失う4つ
次は、毎回すぐ事故になるわけではないものの、繰り返すと「この人を次も配置して大丈夫か」と判断される行動です。
警備は結局、人を現場へ送り出す仕事なので、技術だけでなく「任せられるか」がかなり大きいです。
6.怒鳴られて、その場で言い返す
交通誘導では、渋滞や通行止めでドライバーから理不尽に怒鳴られることがあります。
こちらに落ち度がないケースまであります。だからといって、その場で「こっちも悪くない」と言い返して勝負を始めても、だいたい得しません。
必要な案内だけして、収まらなければ隊長や現場責任者へ回す。
自分の誘導に改善点があれば直す。相手がただ怒っているだけなら、全部を自分のせいにしない。
正しさで殴り返すより、現場を終わらせる方が仕事としては強いです。
実際に怒られたときの考え方は、交通誘導警備員が怒られる理由でもまとめています。
7.遅刻を繰り返す
警備の遅刻は、「自分が10分遅れました」で終わらないことがあります。
交代相手が帰れない、現場開始に影響する、隊長が契約先へ説明する、管制が連絡を取る。
一人の遅刻が、周囲の仕事をまとめて止めます。
一度寝坊した人を「もうダメ」とは思いません。人間なので失敗はあります。
ただし、何度注意しても繰り返すなら、管理側は「次の現場にも時間どおり来るか」を考えます。
誘導が上手くても、現場に来なければ配置できません。
8.無断欠勤・バックレをする
無断欠勤が分かった瞬間、管制側では本人への連絡、隊長や現場への確認、代替要員探しをほぼ同時に始めます。
人が見つからなければ、最後は自分が現場へ出るところまで考えます。
しかも、連絡がつかないと「ただの寝坊なのか、倒れているのか、事故に遭ったのか」も分かりません。
私は無断欠勤した人を最初からサボりと決めつけるより、まず安否を気にします。
本当に出勤できないなら、それは仕方ないです。だからこそ、「今日は行けません」の一言だけでも先にほしいんです。



本人は布団の中でも、管制は電話と配置表で火事。
飛ぶくらいなら一言くれってワケ。
すでに無断欠勤してしまった人は、警備員をバックレるとどうなるかで、その後の動きも解説しています。
9.新人や弱い立場の人へ危険なやり方を強要する
これは私が管理側としてかなり嫌う行動です。
新人へ必要な指導をすることと、怒鳴る、馬鹿にする、危険な自己流を押しつけることは別です。
高齢の警備員や経験の浅い人を相手に「そんなこともできないのか」と詰めても、安全性は上がりません。
むしろ、質問しづらい空気を作ると、分からない新人が黙って勝手に動き始めます。
それはこの記事の1番目に戻るだけです。
技術を教える人が、質問できない現場を作ったら本末転倒です。
人間関係そのものに悩んでいる人は、警備員の人間関係と、うざい先輩への対処法も参考にしてください。
明確な問題行動を繰り返す人については、警備員にいる「やばい人」とは?で別角度から整理しています。
一度ミスしたくらいなら、そこまで気にしなくていい
ここまで「やってはいけないこと」を並べましたが、新人を怖がらせたいわけではありません。
合図がぎこちない。無線の返事が遅い。受付の流れを間違える。立ち位置を注意される。
最初は普通にあります。
私が安心して現場を任せやすいのは、最初から何でもできる人ではありません。
分からなければ聞く。何か起きたらすぐ報告する。注意されたら次の1回を変える。
この3つができる人です。
逆に、経験年数が長くても「俺は分かっている」で基本を省く人は怖い。
実際、私が大規模イベントで班長をしていたとき、経験のある統括責任者が誘導へ集中しすぎて車道へ出てしまい、トラックの側面へ接触したことがあります。誘導灯まで落として、自分で踏んで壊していました。
大きなケガはありませんでしたが、少しずれていれば笑えない事故です。
経験者でも一点集中すれば周りは見えなくなる。だからこそ、基本を軽く見ないことが大切です。
まとめ|上手い警備員より、信用できる警備員の方が現場へ出しやすい
警備員がやってはいけないことを細かく挙げれば、現場ごとにまだあります。
ただ、管理側として特に困る行動は共通しています。
分からないのに勝手に動く。ミスを隠す。基本を面倒くさがる。周囲へ迷惑をかけても直さない。このあたりです。
逆に、一度ミスしても報告できる人、分からないことを聞ける人、注意されたことを直そうとする人なら、私は教えながら現場へ出せます。
警備は「一度も失敗しない人」を探す仕事ではありません。
最終的には、家や車の鍵を預けても大丈夫だと思える人か。管理側としては、そこに近い信用を見ています。










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