「警備員の研修って、何をするの?」
「実技が下手だったら落ちる?」
「新任教育は厳しいと聞いたけど、未経験でも大丈夫?」
結論から言うと、警備員の新任教育は、国家試験のように合否を競う研修ではありません。
知識がない、実技が下手という理由だけで落ちることは、ほとんどないです。
ただし、無断欠勤、遅刻の繰り返し、会社からの連絡に出ないなど、理由があれば採用後でも現場へ出せないと判断されることがあります。
この記事では、警備員指導教育責任者として新人教育に関わってきた経験から、新任教育の内容やきついところ、実際に現場へ出せなかった人の話まで解説します。
結論|実技が下手でも落ちないが、現場に出せない人はいる
新任教育は、警備の知識がない人に必要なことを教えるための研修です。
最初から法律に詳しかったり、誘導灯を上手に振れたりする必要はありません。
| 問題になりにくいこと | 現場へ出せない理由になりやすいこと |
|---|---|
| 警備未経験 | 無断欠勤をする |
| 実技が下手 | 遅刻を繰り返す |
| 法律を一度で覚えられない | 会社からの連絡に出ない |
| 緊張して声が小さい | 説明や指示を聞かない |
| 分からないことが多い | 実技へ参加しようとしない |
指定された日に来て、話を聞き、下手でも実技へ参加できれば、必要以上に怖がらなくて大丈夫です。
一方、決められた時間に来るか分からない人を、会社は現場へ配置できません。
技術は入社後に教えられますが、勤務するかどうか分からない状態は、教育だけでは解決できないからです。
ホンネちゃん知識ゼロは教えられるんよ。
連絡ゼロは、教える前に消えるってワケ。
実際に「現場へ出せない」と判断した人の話
私が教育に関わった人の中に、新任教育の段階で現場へ出せないと判断した人がいます。
その人は、面接の時点ですでに遅刻していました。
それでも一度は採用し、新任教育の日程を決めました。
ところが、教育初日から無断欠勤。
厳しく注意したあとの2日目は、連絡なしの遅刻。
さらに「次はない」と伝えたあと、次の教育日の朝に連絡が入りました。
「寝坊しました」
いや、我が道を征きすぎだろ。
正直、怒りより先に脱力しました。
新任教育は、思いつきで開いているわけではありません。
教育担当者の予定を空け、場所を用意し、資料や備品を準備し、その人が現場へ出る日まで調整しています。
場合によっては、一人の新人のためだけに教育を組むこともあります。
無断で来なければ、教育だけでなく、現場の配置まで組み直しです。
この人は、試験問題を間違えて落ちたわけではありません。
決められた時間に来るか分からず、現場へ出せないと判断されました。



研修に落ちたというより、
時間との勝負に全敗したってワケ。
警備員の新任教育とは?
新任教育は、採用された人が警備業務へ就く前に受ける教育です。
採用された当日から、いきなり制服を着て現場へ出るわけではありません。
一般的な未経験者は、基本教育と業務別教育を合わせて20時間以上受けます。
日程の組み方は会社によって異なりますが、3日程度に分ける場合は、次のような流れです。
- 1日目:基本教育を7時間程度
- 2日目:業務別教育を7時間程度
- 3日目:基本教育と業務別教育を6時間程度
朝から夕方まで座学や実技を行うため、激しく体を動かさなくても、慣れない環境で一日を過ごす疲れはあります。
新任教育中も給料は支払われる
採用後に会社の指示で受ける新任教育は、受講時間も給料の支払い対象です。
ただし、研修中の時給や日給、支払日、交通費の扱いは会社によって異なります。
求人票に書かれていない場合は、面接や採用時に確認しておきましょう。
「研修中のお金について聞いたら印象が悪いかも」と遠慮する必要はありません。
働く条件なので、分からないままにしない方が安心です。
警備員バイトでも、現場へ出る前には新任教育を受けます。
研修後の仕事内容や求人を選ぶポイントも知りたい人は、警備員バイトの仕事内容と求人を選ぶポイントも参考にしてください。
新任教育で学ぶ内容
新任教育は、大きく基本教育と業務別教育に分かれます。
基本教育では、すべての警備員に共通する知識を学び、業務別教育では、実際に担当する仕事に合わせて道具の使い方や現場での動きを覚えます。
基本教育では警備員としての立場を学ぶ
基本教育の主な内容は、次のとおりです。
- 警備業法や関係法令
- 警備員としての心構え
- 事故やトラブルが起きたときの対応
- 報告、連絡、相談
- 護身や応急措置
- 警備員には特別な権限がないこと
特に大切なのが、警備員には警察官のような特別な権限がないという点です。
交通誘導で車に止まってもらう場合も、施設で利用者にルールを守ってもらう場合も、基本は協力をお願いする立場です。
高圧的に「止まれ」「どけ」と命令すれば、クレームやトラブルにつながります。
法律の言葉を一字一句覚えるより、警備員が何をしてよくて、何をしてはいけないのかを理解することが重要です。
業務別教育では配属先に必要な動きを学ぶ
業務別教育の内容は、担当する警備業務によって変わります。
施設警備では、出入管理、巡回、受付、鍵の扱いなどを学びます。
機械警備では、警報を受けてからの流れ、物件確認、待機場所、鍵管理などが中心です。
交通誘導や雑踏警備では、誘導灯、旗、警笛、無線機を使いながら、車や歩行者へ合図を出す練習をします。
会社によっては、実際に勤務する守衛室、待機場所、工事現場などを見に行くこともあります。
教室で聞いただけでは分からなかった内容も、現場を見ると一気につながります。
新任教育がきついと感じるところ
新任教育は、走り込みや筋力トレーニングをするような研修ではありません。
ただし、長時間の座学、聞き慣れない法律、実技の恥ずかしさは地味に効きます。
最大の敵は座学の眠気
新任教育では、教本を読んだり、映像を見たり、警備業法の説明を聞いたりします。
内容は大切です。
しかし、眠い。
特に昼食後の映像教育は、かなりの強敵です。
静かな部屋、聞き慣れない法律、一定の調子で続く説明に寝不足が加わると、まぶたが戦闘不能になります。
寝落ちしている人は、教育担当から見ると普通に分かります。
知識を一度で覚えられなくても問題ありませんが、最初から最後まで寝ていれば、「現場でも気を抜く人かもしれない」と不安になります。
前日は、ちゃんと寝てきてください。
まじで。
実技は下手さより、恥ずかしさとの戦い
交通誘導の実技では、人前で誘導灯や旗を振り、警笛を吹き、大きな声を出すことがあります。
未経験だと、かなり恥ずかしいです。
誰も走っていない場所で旗を振りながら、「自分は何をしているんだろう」と思うかもしれません。
それでも、小さな合図では運転手に伝わりません。
声が届かなければ、歩行者を安全な場所へ案内できないこともあります。
最初から上手な人は、ほとんどいません。
教育担当が見ているのは動きの美しさではなく、教わったとおりにやろうとしているかです。
法律の言葉は全部暗記しなくていい
警備業法や関係法令には、普段の生活では使わない言葉が出てきます。
初めて聞けば、難しく感じて当然です。
新任教育の段階で、法律を一字一句暗記する必要はありません。
まずは、警備員の役割、特別な権限がないこと、事故が起きたときの連絡先など、現場で必要になる基本を押さえましょう。
分からない言葉を放置せず、質問したりメモを取ったりする方が大切です。



実技の恥ずかしさは数分なのさ。
居眠りの印象は、教育担当の記憶に長期保存されるかもね。
教育担当が新人を見ているポイント
教育担当は、未経験者に完成された警備員の動きを求めていません。
最初は旗の振り方が変でも、無線で言葉が詰まっても、それだけで現場へ出せないとは判断しません。
主に見ているのは、次のような部分です。
- 時間を守れるか
- あいさつができるか
- 説明を聞こうとしているか
- 分からないことを質問できるか
- 実技へ真面目に参加しているか
- 周囲へ高圧的な態度を取らないか
特に、分からないことを質問できる人は教えやすいです。
分かったふりをして現場で勝手に動く人より、「ここが分かりません」と言える人の方が、現場へ出てからも伸びます。
反対に、説明を聞かない、実技をふざける、連絡なしで休む人を見ると、そのまま現場へ出た姿を想像します。
通行者へ高圧的に接するかもしれない。
指示を聞かず、自分の判断だけで動くかもしれない。
交代時間になっても戻ってこない、雲隠れタイプになるかもしれない。
知識不足は教育できます。
しかし、勤務態度に関わる部分は、教育する側も慎重に見ています。
新任教育へ行くときの服装と持ち物
会社から指定がある場合は、その指示を優先してください。
特に指定がなければ、派手すぎず、実技で動きやすい服装が無難です。
持ち物は、次のものを準備しておくと困りにくくなります。
- 筆記用具
- メモ帳
- 身分証など会社から指定されたもの
- 飲み物
- 昼食
- 少し大きめのカバンや袋
最終日に制服、ヘルメット、誘導灯、反射ベストなどを渡される会社もあります。
手ぶらで行くと、帰りに警備用品を抱えて歩くことになるため、大きめのカバンや袋があると便利です。
実技がある場合は、サンダルや動きにくい服装を避けましょう。
新任教育中に聞いておくと現場で困りにくいこと
新任教育は、教本の内容だけでなく、教育担当や先輩から現場の話を聞ける時間でもあります。
特に、次のことは現場へ出る前に確認しておくと安心です。
- 初日の集合場所と集合時間
- 困ったときの連絡先
- 新人がやりやすいミス
- 休憩や交代の流れ
- 雨の日や暑い日の持ち物
- 現場で使用する道具
- 遅刻や欠勤をするときの連絡方法
教本を読んでも、自分が初日にどこへ行き、誰へ声をかければいいのかまでは分かりません。
「こんなことを聞いたら恥ずかしい」と黙るより、教育中に確認しておきましょう。
現場へ出る前に不安を減らそうとする姿勢は、教育担当から見ても悪い印象にはなりません。
新任教育が終わったら、いきなり一人で現場へ出る?
新任教育が終わっても、警備の仕事をすべて覚えたわけではありません。
教室で学べるのは、法律、基本動作、安全に働くための土台です。
会社や配属先によりますが、最初は先輩隊員と一緒に現場へ入り、実際の流れを見ながら覚えることが多いです。
例えば、本来3人で回す現場へ新人を含めた4人で入り、先輩の動きや車の流れを見てもらうこともあります。
歩行者への声かけ、無線のやり取り、休憩の回し方、現場ごとのルールは、実際に働きながら覚えていきます。
新任教育を終えたあとに何をするのか不安な人は、警備員の仕事内容と「立っているだけ」ではない現場の実態も読んでおくと、配属後の動きを想像しやすくなります。
実際に新任教育を受けたときの体験談
ここまでは、主に教育する側から新任教育について解説しました。
もちろん、私にも未経験で新任教育を受けた時代があります。
当時は現在より教育時間が長く、抑揚ゼロで警備業法を読み続ける教官「ボロロ」と、妙に印象へ残る老紳士に出会いました。
座学の眠気、実技が始まった瞬間に豹変する教官、未経験者だった私が感じた教室の空気は、警備員の新任教育で「ボロロ」と老紳士に出会ったときの体験談に書いています。
新任教育の内容だけでなく、「実際にその教室へ座ったらどんな感じなのか」を知りたい人向けの記事です。
まとめ|新任教育で大切なのは知識より信頼
新任教育は、警備の知識や実技の上手さを競い、未経験者を落とす試験ではありません。
時間を守り、説明を聞き、分からないことを質問しながら実技へ参加すれば、必要以上に怖がらなくて大丈夫です。
無断欠勤や連絡のない遅刻を繰り返せば、現場へ出す前に止まります。
難しいことを完璧に覚えるより、まずは「決められた日に来る」という最初の信頼を守ってください。



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